秘密にし・て・ね(前編)

社長からのお願い


次の日、社長室では佳奈は社長にえらく誉められていた。



「いや~花咲君、君のおかげで我が社のイメージアップにつながったよ。私について色々挨拶して回ってくれたおかげで、他社で君の立ち振る舞いの事で話題になってね皆、誉めてたよ」



佳奈は別に何かしたわけではなかったのでこんなに社長がご機嫌になっているのが不思議だった。



「私は何もしておりません、ただ、この会社に恥にならないように勤めようって思って逆に緊張してしまって社長に申し訳ないなと思ってたくらいです」




「何を言うかね、君はちゃんと任務をまっとうしたよ。こちらが感謝しているくらいだよ今後も是非、こういったパーティーには出席願いたい」




佳奈はギョッとした≪マジ・・ですか?≫もうなるべくパーティーは出ないでいいだろうと思っていたので社長の一言でまたまた佳奈は悩みの種が増えてしまった。




そんな佳奈の心のうちなんか分からない社長はニコニコ顔で佳奈を見ていた。そんな社長に佳奈はただただ引きつった微笑を送るしかなかった。


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