幼なじみ〜first love〜

絢音―side―

―――…

4時間目の授業も終わり、お昼休み。



綺麗な水色の空に、暖かな春の陽気。




せっかくのいい天気だし、あたしと美々ちゃんは、中庭でお弁当を食べることにした。




「古文の課題めんどいね〜」




そう言って美々ちゃんは、タコウィンナーを口に放り込んだ。




「本当だよね…あたし古文苦手…」




美味しいママの手作り弁当を食べる、幸せなひととき…




その時、後ろに人の気配を感じた。




「絢音ちゃん…ここにいたんだ。ちょっといい…?」




声をかけてきたのは、昨日、蒼とぶつかってカラコンを落とした美少女…栞ちゃん。




「…あたしに何か用なの?美々ちゃん…ちょっと行ってくるね?」




「あいよぉ」




あたしは、美々ちゃんをその場にひとり残して、足早に歩いてゆく栞ちゃんの後を追いかけた。




「ねぇ栞ちゃん…どこに行くの…?」




「体育館裏……」




あたしの顔さえも見ずに答える栞ちゃんに、昨日の印象とは違うなと感じた。




それに何でそんな人気のないところに……?
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