REGRET ―忘れられない人―
第2章

婚姻届



◆◆◆


兄貴の結婚式は感動的だった。


兄貴の隣にいる直さんを見ていると、花帆を思い出してしまう。


色が白くて、笑顔がかわいいところが少しだけ似ている。



兄貴のことばかり見つめている直さんが、あの頃の花帆とかぶる。


アイツも、俺のことずっと見てくれていたんだな。




「もうすぐ時間じゃん!!」



俺の腕を強引に引っ張る直さんの姉貴の奈美。



「早く車回してきて」




俺は、奈美に背を押されて三次会会場の店から外へ出た。



結婚式当日に籍を入れたいという兄貴と直さんの希望で、3次会の後に婚姻届を持っていくことになっていた。




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