俺のココ、あいてるけど。
○。March。○

バイバイ

 
◇未来side.*:・゚



「ねぇ、恵介」

「・・・・」

「恵介ったら・・・・」

「・・・・」

「どうして・・・・?」


あたしは今、わけが分からないまま、恋人の恵介に振られようとしている。

ここはファミレス。

夕飯時だということもあって、周りはカップルや家族連れでガヤガヤしている。

だけど、恵介とあたしが向かい合って座るこの席だけは、息が詰まるほどの重苦しさが漂っていた。


「未来──・・」


恵介が何本目かの煙草を灰皿に押しつけ、口を開いた。

あたしとは、もう目も合わせてはくれない・・・・。


「お前、重いんだよ」


“重い”・・・・。

何度言われた台詞なんだろう。


無表情のままそう言った恵介は、また新しい煙草に火をつけようと手を伸ばした。

あたしは、その手をすがりつくように取った。

まだ恵介が大好きだから・・・・。


「待って、恵介。あたしのどこが重かったの? 悪いところは全部直すから、お願いだから別れるなんて言わないでよ・・・・」
 

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