ふたつの指輪

6. パパみたい

「じゃ、先寝てろよ」


そう言い捨てて、スーツに眼鏡姿の尊さんは出掛けていった。


ったく、子どもじゃないっての。

眠たくなったら寝ますって。



(尊さんって、何だかお父さんみたい)


ああしろこうしろってうるさいし。



(お父さんってあんな感じなのかな?)


――あたしにはお父さんがいたことがないから、よくわかんない。


多分あんな感じじゃないのかな。



何かとうるさいけど、やさしくって頼りがいのあるお父さん。

黙ってじっと、あたしを見守ってくれてる。


そんな感じ。




もともと、仕事は遅くまでやってるらしい。


先週末7時ごろ帰ってきたのは、もしかしたらかなり無理を言ったのかな。
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