平安物語【完】
赤子

*寒椿




――満開の桜の映える、よく晴れた日――


穏やかな景色の風情を台無しにするかのごとく、弘徽殿にはそわそわとした空気がありました。

外に近い所にいる女房なんかは、はしたなくも簾から顔を出して廊下の向こうを見たりしています。

ひっきりなしに使者がやって来て、鴬の鳴き声も聞こえない有り様です。



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