廃陸の旅団

核下地区

導穴へと身を投げ入れると、最初こそ急降下をしたが、徐々に惑星の上昇ﾌｫｰｽにより減速していった。

ある程度までくると、そのスピードは降下しているのかすら分からないほどになり、空中を漂うかのようにゆっくりゆっくりと降りていく。


次第に部屋からの光は届かなくなり、辺りが少しずつ岩肌すら隠す闇に包まれていく。

｢凄い。｣

カムイは無意識にそう呟いていた。

リリーはと言うとまだ怖い様でカムイの袖をｷﾞｭｯと握りしめ目を瞑っている。


そして見渡す限りに四方を暗闇が包んだころ。

しっかりと握り締めたお互いの腕だけに感覚が集まるようになる。

｢リリーさん、もう大丈夫ですよ。何も見えないし……｣

｢え、あ。はい、手……離さないでくださいね。｣

リリーは一段と強く手を握り締めた。

カムイもそれに応えるようにしてリリーの手を優しく握っていた。




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