ある日仕事から帰ると、両親から「日曜日にお見合いをしてもらうから」と言われた私。 もちろん拒否したが、当の日曜日、叩き起こされ美容院に放り込まれ、見合いファッションにさせられてしまった。 渋々向かった指定のホテル、そのロビーで待っていたお見合い相手はなんと、幼稚園と小学校で一緒だった元ご近所さん──幼馴染の男子だった。 母親の再婚で良家のご子息になり、今は義父が社長の会社で部長を勤めるという。 仕事が好きで恋愛は後回しにしてきた、という点で、十数年振りの再会にもかかわらず意気投合。 お互い、親にこれ以上結婚を急かされるのが嫌という話になり、その流れで出た「契約結婚」。 仕事は続けていいし、必要以上に干渉はしない約束。 悪い話じゃない、と思って受け入れた。 ……この結婚はあくまでも、書類上の契約。 なのに彼は、いつしか私に対し、執着を見せるようになってきて──？ 【2022/04/28連載開始】 【表紙：Canvaテンプレートより作成】

一度だけの関係──そして７年後の再会。 ★表紙絵：和佳宮テトラ様★

利害の一致で交わした、幼馴染みとの交際契約。 その行方は果たして──？

　──もしかしたら、彼となら付き合ってもいい、と考えたかもしれない。 　けれど結婚前提では……そこまでの責任を負うことのできない自分では、無理だ。 　だからこそ、ずっと前に決めたのだ。始めから誰とも付き合わないと。 　どれだけ申し訳ない気持ちになろうとも、相手に少しでも期待を持たせることはしないと。 ☆表紙：水城るり様☆

《第２回ベリーズカフェ短編小説コンテスト「不倫」参加予定作品》 許されない関係──不倫。 今や対等な恋愛ですらなく、お互いに、執着しているだけだとわかっている。 ……それなのに何故、離れることができないのか。