※以下、本文より抜粋※ ……あぁ、おいしい物でお腹がいっぱいのこの瞬間、なんて幸せなんだろう。 前世の私は、いつだって空腹をあたり前として生きていた。 太ることが怖かった。 最期のときですら、私は腕に刺された栄養補給目的の点滴に、 太ってしまうと恐怖していた。 ……ふふふ、そんなのっておかしいね。 「むしろ、太ってなんぼ！　へへへっ、チョコレートおいしいぃ〜！ 食後の甘い物、これもまた別格の幸せだー！　もう一個!!」 私はもう、後悔しない。 今世の私は、国中の、いや、国内外の美食だってB級グルメだって、 全部全部食べ尽くす。 おいしい物を我慢する？　ないないない！ モテないって？　望むところ！ 私は 結婚しないで王宮に居座って、もぐもぐぱくぱくおいしい物をいーっぱい食べて暮らすんだから！ ＊＊＊ 　さぁヒーロー、どっからでもかかってこい！ 　このヒロインを、痩せさせろ！　【by作者】

君は戦争と聞くと、どんなことを想像するだろうか？ 飛び交う銃弾、破壊されていく街、そして傷ついた人々ーーー。そんなことを想像しないだろうか。 これから話す出来事は、全て俺が体験したことだ。あんな結末を迎えるなんて、誰も想像すらしていなかった。 「固いお話なんてしないで、もっと楽しいことしようよ〜」 「今日はジェラート持ってきたよ！みんなでワイワイ楽しもう！」 「世界平和は、笑顔とどんちゃん騒ぎでできてるんだよ！！」 こんな馬鹿みたいなことばかり言って、仕事をまともにしない女が、この世界を変えていくなんて信じられなかった。

ふと、思うことがある。 俺たち、世界平和対策本部のゴールは世界大戦を終戦に繋げることだ。 もし、世界が平和になったら、この対策本部はどうなるのだろうか？ リリーや他の仲間たちとは、会えなくなるのだろうか？ 今は、まだ知らない。目の前で無邪気な笑顔を見せるリリーが、俺たちのずっと高い場所にいたなんて…。 あいつが、世界を救おうと陰で動いていたなんて…。 この作品は、俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」の続きだ。まだ「上」を読んでない奴は、先に「上」から読んでくれ。

時は西暦2999年、AIの革新により万物が知性を持つ生き物として存在していた。2000年代最後の年に納豆として生まれたヒロシは、納豆としての普通の青春を送りながらも、自分の存在意義を問うていた。そんな彼は、捕食者である人間と戦うことを決意する。愛する納豆たちを守るため、今、ヒロシは立ち上がる。

─────昨日、遠い外国でたくさんの人が亡くなったらしいよ ふーん ・・・どうでもいいから ─────難民の人達は今も食べ物すら無くて困ってるんだって あっそ ・・・どうでもいいから ─────明日、この近くで募金活動するんだけど、よかったら一緒にいかない？ あのさ そんなことどうでもいいから とにかく私のことはほっといて ─────ねぇ、さっきからなんなのその態度。ひどくない？ たくさん困ってる人がいるんだよ？ ・・・もう本当に そんなことどうでもいいから 世界平和とかどうでもいいから ・・・おねがい 誰か私の気持ちを受け止めて