ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜8
愛情たっぷりのお雑炊
 働く子猫の朝は早い。
 青弓亭の看板子猫であり、腕利きの料理人であるエリナは、今日も『もっとモフモフに包まれてまどろんでいたい』という誘惑から逃れようと必死に手足を動かして、夢の国からの脱出を図っている。
 ちなみに今は、小さな白い子猫の姿だ。

「うにゅ……ふみぃ……にゃ……みゅ……」

「エリナ、大丈夫か? 怖い夢を見ているのか?」

 フェンリルの、世界一のモフモフと言える素晴らしい尻尾の中で、溺れているような動きをしながら可愛らしく鳴いている猫獣人のエリナを、うなされているのだと勘違いした保護者は心配そうに見た。

「エリナ、目を覚ませ。しっかりするんだエリナ」

 悪夢から助け出すためであったとしても、こんなに小さな子猫を揺り起こすのは乱暴過ぎると思い、フェンリルは肉球でたふたふ、たふたふとエリナの頬を優しく叩いた。すると子猫はちっちゃな手で肉球にとたたたたたと勢いよく猫パンチを繰り出してから「みゅ!」と気合を入れて、見事尻尾から飛び出した。

「ルディさん、おはようございますにゃ! 起こしてくれてありがとうにゃ!」

「お、おう」

「子猫のエリナ、おかげで朝から気合いがばっちりにゃん!」

 巨大なフェンリルの姿のルディこと、王都警備隊長でありこのスカイヴェン国の第一王子であるカルディフェン・ラーダ・スカイヴェンは、弾け豆のように飛んで出たエリナに驚きながらもなんとか「おはよう。今日はよく晴れたいい朝だな」と優しく朝の挨拶をした。

「はい、いい朝ですね。今朝も朝ごはん作りをがんばります」

 彼女はうにゃーん、と大きく伸びをしてから、ベッドの上で「おなかがすいたにゃん!」とジャンプした。
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