迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
第4章
第27話 古城の舞踏会
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からりとしたそよ風が、瑞々しい緑を揺らす正午。
フィリーネがいつものように昼食に舌鼓を打っていたら、一足先に食事を終えたシドリウスが話を切り出す。
「この週末にランドレイス家の古城で舞踏会が開催される。公爵の見舞いも兼ねてお忍びで参加しようと思っている」
ランドレイス家は毎年この時期になると竜王陛下の就任を祝う舞踏会を開催する。その日は何万発もの花火が上がり、夜だというのに昼間のような明るさになるのだ。
一度も舞踏会に参加したことのないフィリーネだが、その日はアバロンド家の屋敷から見える花火を楽しんでいた。
(今年も開催されるのですね。てっきり中止になると思っていました)
ランドレイス公爵は原因不明の病に倒れている。そのせいでアーネストが公爵代理を務めることになり、ミリーネと過ごす時間を取れなくなった。
イライラを募らせるミリーネから何度も理不尽な目に遭わされたのは記憶に新しい。
舞踏会の準備もあるとなると、アーネストと過ごせる時間はもっと減っているはず。より一層、ミリーネの鬱憤は溜まっていそうだ。
(どうか、使用人の皆さんに被害が出ていませんように)
自分がいなくなったことで使用人の誰かが鬱憤の捌け口にされていないか心配になる。
フィリーネが心の中でアバロンド家の平和を祈っていると、シドリウスが食後のお茶を飲みながらある提案をしてきた。