恋のメンテナンスは必要ですか?
〜プロローグ〜
街中にある公園のベンチで男の肩にもたれかかりながら、キラキラと輝くイルミネーションを見つめる。
アルコールの回りきった体は目を開けることすらままならない。
「彩さん?大丈夫?」
男は甘い声で彩に聞いた。
「んー……」と彩は曖昧に返す。
必死に半分開いていた目は睡魔のせいで力が抜け、気を抜いたら閉じてしまいそう。
——こんなつもりじゃなかった。
少しだけ飲んだら帰るつもりだったのに。
頭でぼんやりと考える。
男は彩を見つめ、瞼を閉じ始めた彩の耳元で囁く。
「から……ホテル、いく?」
全ては聞き取れなくても男の言葉はどういう意味で発せられたのか、酔っていてもわかった。
「…………——」
見つめ合う二人。
側から見れば恋人にしか見えない距離。
——初雪が二人に降り注ぎ始めていた。