恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
おまけ
新婚生活にもすっかり慣れてきた、ある休日の午後のこと。
リビングのソファーで二人並んで寛いでいると、和香の頭の中にふと前々から気になっていた疑問が浮かんだ。
(帆高くんって、付き合っている時も結婚してからも、ずっと私に敬語なんだよね)
もちろん、彼の育ちの良さや和香を大切にしてくれている誠実さの表れだと分かっている。
けれど、夫婦になったのだから、もう少しフランクな話し方をしてくれてもいいのではないか、そんな欲がほんの少しだけ顔を出した。
「あのね、帆高くん」
「どうしましたか、和香さん」
雑誌から顔を上げて、優しく首を傾げる帆高。
和香は意を決して、彼の整った顔を見つめながら提案してみた。
「…あのね、私には敬語、やめてみない?」
「敬語を、ですか?」
「うん。もう私たち夫婦だし。帆高くんのタメ口も聞いてみたいなって」
少し恥ずかしそうに指先をモジモジさせる和香を見て、帆高は一瞬だけ驚いたように目を丸くした。 だが、すぐにその唇が楽しそうに、どこか悪戯っぽい笑みを刻む。
「いいね」
突然低く落ちたトーンで、それまでの丁寧な口調があっさりと消え去り、和香の心臓が跳ね上がる。
「えっ……あ……っ」
驚いて固まる和香の隙を見逃さず、帆高はすっと距離を詰めると、彼女の頬を優しく大きな手で包み込んだ。そして、至近距離でまっすぐに瞳を覗き込んでくる。
「っ…―」
「和香、可愛い」
いつもの「和香さん」ではなく、耳元で甘く囁かれた「和香」という呼び捨ての響きに、さらりと言い放たれたストレートな言葉と、色気たっぷりの眼差しに、和香の頭の中は一瞬で真っ白になった。
「あ……うん、ありがとう」
顔が一気に沸騰したように熱くなり、耳まで真っ赤に染まっていく。
あまりの破壊力に思わず両手で顔を覆って俯いてしまうと、頭の上からクスクスと愉しそうな笑い声が降ってきた。
「どうしたの?敬語やめてほしいって言ったのは和香でしょ?」
「う、ううう…そ、そうなんだけど…やっぱりまだこのままで…いいかも」
「ダメ。和香が言ったんだから、今日はこのままでいくよ」
そう言って、赤くなる和香の頭を愛おしそうに撫でながら、さらに甘く耳元で囁かれ、和香は結局ずっと帆高に振り回されるのかも、と思った。
おまけEND
リビングのソファーで二人並んで寛いでいると、和香の頭の中にふと前々から気になっていた疑問が浮かんだ。
(帆高くんって、付き合っている時も結婚してからも、ずっと私に敬語なんだよね)
もちろん、彼の育ちの良さや和香を大切にしてくれている誠実さの表れだと分かっている。
けれど、夫婦になったのだから、もう少しフランクな話し方をしてくれてもいいのではないか、そんな欲がほんの少しだけ顔を出した。
「あのね、帆高くん」
「どうしましたか、和香さん」
雑誌から顔を上げて、優しく首を傾げる帆高。
和香は意を決して、彼の整った顔を見つめながら提案してみた。
「…あのね、私には敬語、やめてみない?」
「敬語を、ですか?」
「うん。もう私たち夫婦だし。帆高くんのタメ口も聞いてみたいなって」
少し恥ずかしそうに指先をモジモジさせる和香を見て、帆高は一瞬だけ驚いたように目を丸くした。 だが、すぐにその唇が楽しそうに、どこか悪戯っぽい笑みを刻む。
「いいね」
突然低く落ちたトーンで、それまでの丁寧な口調があっさりと消え去り、和香の心臓が跳ね上がる。
「えっ……あ……っ」
驚いて固まる和香の隙を見逃さず、帆高はすっと距離を詰めると、彼女の頬を優しく大きな手で包み込んだ。そして、至近距離でまっすぐに瞳を覗き込んでくる。
「っ…―」
「和香、可愛い」
いつもの「和香さん」ではなく、耳元で甘く囁かれた「和香」という呼び捨ての響きに、さらりと言い放たれたストレートな言葉と、色気たっぷりの眼差しに、和香の頭の中は一瞬で真っ白になった。
「あ……うん、ありがとう」
顔が一気に沸騰したように熱くなり、耳まで真っ赤に染まっていく。
あまりの破壊力に思わず両手で顔を覆って俯いてしまうと、頭の上からクスクスと愉しそうな笑い声が降ってきた。
「どうしたの?敬語やめてほしいって言ったのは和香でしょ?」
「う、ううう…そ、そうなんだけど…やっぱりまだこのままで…いいかも」
「ダメ。和香が言ったんだから、今日はこのままでいくよ」
そう言って、赤くなる和香の頭を愛おしそうに撫でながら、さらに甘く耳元で囁かれ、和香は結局ずっと帆高に振り回されるのかも、と思った。
おまけEND


