俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

2話 監視という名の

​夕刻。

律が最後の退院前診察のために、葵の病室を訪れた。

​「……失礼する」

​律はドアを静かに閉め、サイドテーブルにタブレットを置き、ベッドサイドの椅子を引き寄せて腰掛けた。

白衣の袖を少しだけ捲り上げ、聴診器を手に取った。

​「服のボタンを、2つ外して」

​どこまでも静かで、落ち着いた主治医の声だ。

律は葵が言われた通りに服の胸元を緩めると、金属面をあらかじめ自分の手で包み込んで温めてから、葵の胸元へとそっと当てた。

​「……息を吸って。……吐いて」

​律は真剣な眼差しで心音に耳を澄ませた。

数秒の沈黙の後、チェストピースを胸から離す。

律はそっと葵の服のボタンを元通りに留め直した。

​
「……完璧だ。雑音も、不規則な脈動も一切ない。明日、予定通り退院とする」

​「律先生……。本当に、退院できるんですね。ありがとうございます」

​
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