銀野あおさんのレビュー一覧

★★★★★
2026/03/25 07:39
ネタバレ
手のひらで踊る

 共同開発する相手会社の主任の手が、芽依の好みの手で、その手に恋心が芽生え……。
 初めて任された大きな案件に奮闘する芽依と、それを取り巻く男性二人が『静』と『動』の対照的な存在で面白かったです。待ち伏せしたり、食事に誘ったり、分かりやすくぐいぐい押してくる高橋。仕事でさりげなく芽依を後押ししたり守ったりしてくれるが、押しては来ない椎名。
 あまり目立った行動はしない椎名なのに、なぜか高橋より印象的で……。これは、芽依の恋するフィルターを通して私も見ていたからなのかもしれませんね。
 最初からずっと、椎名の手のひらの上で踊らされていたんだなと思いました。
 一方で、芽依と高橋が二人でラーメン屋に行った時『一回くらい俺を好きになってくれてもよかったじゃん』という彼の言葉がとても切なかった。ずっと椎名との恋を見守っていましたが、胸がギュッとなりました。
 高橋も幸せになってほしいです。

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★★★★★
2026/03/20 14:54
ネタバレ
五年という時間

 雑誌編集部で働く真帆の所に五年前に酷い別れ方をした元彼が異動してきた……。
 元彼と再会して戸惑い冷たくしてしまったり、また告白されて、わけがわからなくなって答えを先延ばしにしたり。真帆の戸惑いやもやもや、細かな感情の動きがとても共感できました。
 周りのアシストや朝倉のフォローなどから、少しずつ真帆の気持ちも整理され変わっていき、いつ恋を自覚するのかとドキドキ。
 やっと真帆が告白し二人が付き合って心から、良かった〜! と嬉しくなりました。
 五年という時間が薬のように二人を癒し、相手を思いやる優しさや強さを育んでくれたのかもしれません。
 ちょこちょこ出てきた後輩の宮本。始めは少しお節介で煩わしいな、と思っていたのですが、だんだん、真帆の事を本当に心配して後押ししてくれていたんだと分かりました。彼女くらいズバッと言える快活な友人が真帆にはきっと必要だったんですね。

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★★★★
2026/03/18 13:35
ネタバレ
ずるい男

 仁菜は雨が降ると思い出してしまう元カレがいた。ずっと過去に囚われている……。
 会社に入社してきた真紘と体を重ねてしまって『忘れて』。先輩の佐久間に仕事の事を相談していたのを嫉妬から『何でもない、忘れて』。
 大学で別れた時の理由も分からず、私も仁菜と同じく、何それ!とぶち切れてしまいそうでした。元カノのモデルの件も『今は言いたくない』
 佐久間の事は仁菜の行動にも少し原因はあると思いますが、とにかく思わせぶりなのに言葉が足らない真紘にジレジレ。
 だけど真紘は不器用なだけで、ちゃんと考えてるし仁菜の事を想っている。仁菜はそういうところも含めて彼を好きで離れられない。それが真紘の魅力でもあり、良い意味でずるい男だなぁと。
 最後はプロポーズをちゃんとしてくれて、ホッ。離れてた分も末永く幸せになってほしいです。

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★★★★
2026/03/15 20:51
ネタバレ
変装しても自分は自分

 友達に頼まれて婚活パーティーに別人ミチルとして参加した千佐。偶然課長の和木坂も同じパーティーに参加していて、ミチルは気に入られてしまい……。
 千佐は何度も離れようとしますが、和木坂はそれに気付き離さない。婚活パーティーより前から、もしかして彼はミチルではなく千佐の事をずっと好きだったのではないかと思いました。想いが通じ合った後にも『そのままの君でいい』と言っていたし、職場恋愛はしないという信念を翻すほど、千佐を想っていたんですね。
 和木坂が鉄ヲタなのも、終わりの方に出てきたお婆さんの菊江が強くて強烈なキャラなのも、面白いですね。菊江は可愛い孫の幸せを一番に考えていて優しさが垣間見えます。きっと千佐とも仲良くやれるでしょう。
 ハッピーエンドで、私もC専とK専(要専門)になりました。
 楽しい作品ありがとうございました。

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★★★★★
2026/03/15 12:50
ネタバレ
まるでミステリー

 大好きな人との結婚式の日、会社社長の父親が逮捕されてしまう。社長令嬢から突然の転落……。
 まさに天国から地獄へ。被害者だった伊月が復讐をする愛憎劇になるのかと思いきや、伊月は美節に全く近付かなくて私も彼女と同じく彼の意図が読めず困惑しました。
 少しずつ被害者達が美節に近付いたり、謎が深まる伊月。ひっそりと暮らしたい彼女の周りの変化。
 そんななか、美節が伊月にカレーを作るシーンは束の間のほっこり。
 伊月Sideで、やっと彼の想いが分かりました。
『もっと嫌な人なら良かった』
 この彼の想いが、美節を愛してしまった葛藤が表れていて、深く胸に刺さりました。
 最後にまた最初に戻るような結婚式では、未来には葛藤があるだろうけれど、伊月と乗り越えていけるだろうと、思えました。
 派手なラブシーンも無く、謎のまま進む物語はまるでミステリー小説のようで、ドキドキ楽しかったです。

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★★★★★
2026/03/14 08:29
ネタバレ
一本筋の通った俺様

 バンドマンに振られた晴菜は傷心で行った鎌倉のホテルで俺様で強引な男とワンナイト。後日、京都の叔母に勧められたお見合いで、その男と再会してしまう……。
 獲物を狩るような奏汰の俺様加減に始めは辟易しましたが、真っ直ぐに晴菜を求める姿に、彼女と同じく私もいつの間にか絆されていました。
 酒造りにも真剣、晴菜にも真剣。自信のない晴菜と正反対の奏汰ですが、物語後半のお家騒動で追い詰められチラリと見せた弱さが印象的でした。奏汰も晴菜に助けられている……だからあんなにも強く晴菜を求めていたのでしょうか。
 5章での麗奈との食事会の緊迫感で手に汗握り、奏汰の反撃が決まりスカッと拍手喝采。最後の晴菜の肝が据わった強い言葉に、やっと二人が噛み合ったのを感じ、良かったなあと嬉しくなりました。
 読後、一本筋の通った俺様奏汰に、私も囲われ狩られていたような気がします。
 素敵な作品をありがとうございました。

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