プロフィール

十夢矢夢君(とむやむくん)
【会員番号】1363129
タイ在住。
1992年から在タイ日本大使館に勤務したのち、タイに永住を決める。その後、民間企業の社員として働きながら、言葉で紡ぐ物語の魅力に魅了され、作家としての道を歩み始める。歴史や文化、そして異なる国の人々の絆に興味を持ち、「人と人が繋がる瞬間」を描く。現在は日本とタイの文化をテーマにした物語に注力し、読者に心温まるエピソードを届けたいと願っている。趣味は乗馬と旅と日タイ歴史の研究。

作品一覧

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「命令だ。お前はここに残れ――。」 一九四五年、終戦間近のタイ。敗走する二等兵・相沢義信は、かつて日本軍が現地民を徴用して建設した「日本街道」の傍らで、剥き出しの憎悪と飢餓に直面していた。 生き延びるために盗みを働き、殺生を犯す相沢。しかし、彼を見つめる一人の村の娘の瞳にあったのは、断罪ではなく底知れぬ「慈悲」だった。共に逃げ延びた中村軍曹は、かつて道を作った際に犯した殺人を相沢に打ち明け、桃色の寺院で自らの命を絶つ。 一人残された相沢に下された、軍曹の最期の命令。それは「僧となってこの地に留まること」だった。 名前を捨て、橙色の僧衣に身を包んだ相沢は、かつて略奪した村から托鉢で米を恵まれ、言葉を失ったまま五十年の歳月を石段の掃除に捧げる。なぜ彼は帰国せず、タイの山奥で掃き清め続けたのか。 二〇一五年、相沢がその生涯を閉じた時、かつての娘――いまは老女となった彼女が供えた「包み」が、止まっていた時間を動かし始める。ドリアンの甘く腐ったような匂いが漂う中、戦争の罪を一身に背負い、静かに消えていった一人の日本兵の魂を、仏の慈悲が導く感動の短編。
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戦後80年の時を超えて紡がれる、日本の和菓子『大福餅』が繋ぐ時を超えた愛の絆

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