こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
11.信頼
翌朝、シラカワ製作所のパソコンを眺めながら富樫は目を輝かせていた。
「ハルカちゃん! やっぱりすごいよ」
富樫が開いていたのは昨日隼人が手順を書いておいたと言っていたファイルだ。
遥にはさっぱりわからない文字の羅列だが、富樫にはわかるらしい。
富樫のパソコンに隼人の手順書ファイルを移動させ、シラカワ製作所へ向かう。
貸していたツクモのパソコンと交換し、出荷ができることも確認してもらった。
「遥ちゃん、本当にありがとう」
「お試しする時、M-ADCからパソコンを借りられるか聞いた方がいいかもしれないですね」
今、動いているシステムが止まると大変だから念のためと遥がアドバイスをすると、白河は「実はね」と話し始めた。
「昨日、息子と相談したんだが、M-ADCはやめようと思う」
「え? では違う会社に?」
在庫管理や工程を管理をするシステムは世の中にたくさんあるから、別にM-ADCじゃなくてもやれることはそんなに変わらないけれど、またイチから探すのも大変そうだ。
「今回は取説動画のソフトとの相性が悪かっただけで、M-ADCの製品は大丈夫ですよ」
実績もたくさんあると遥が伝えると、白河はボリボリと頭を掻いた。
「うちみたいな小さな部品でも、納期を守れないと組み立て工場のラインを止めてしまう。だから納期は絶対なんだ」
白河は昨日遥に連絡する前にパッケージソフトの会社やM-ADCの担当者にも連絡したが対応してもらえなかったと遥に話した。
「担当がいない、メールで送ってくれれば調査する、うちのソフトではないのでわからない」
白河の言葉に「あぁー、あるある」と富樫が頷く。
「遥ちゃんが駆けつけてくれた時、やっぱり信頼できるのはツクモだって思ったんだ」
白河は十年以上前、停電で装置が壊れたときに遥の父が駆けつけてくれたことを思い出したと笑った。
「遥ちゃん、契約更新させてくれないか?」
「いいんですか?」
「うちの保守契約じゃ、たいした売り上げにはならないだろうけど」
「ううん、うれしいです! ありがとう白河さん!」
まさか契約を更新してもらえるなんて。
感動している遥の背中を富樫がぐりぐりと押しながら揶揄う。
「富樫~! ありがと、富樫のおかげ!」
「なにいってんのさ、今すぐ行くよって飛び出したのはハルカちゃんでしょ」
遥と富樫は顔を見合わせながら、どちらからともなく笑い合う。
遥ははじめて自分が取った契約がうれしくて、思わず涙が出そうになってしまった。
「では後日、契約更新の書類を届けますね」
佐久間に契約書を作ってもらって届けてもらおう。
貸していたツクモのパソコンを富樫が鞄にしまった瞬間、男性の怒ったような声が響き渡った。
「白河さん! 酷いじゃないですか、うちのせいで動かないなんて言いがかりの電話をしてくるなんて!」
スーツだけれどノーネクタイ、ビジネス鞄ではなくリュックサック。
髪は少し長めのチャラい系の男性は、勝手に工場内に入ってくると、遥たちを気にすることなく白河に詰め寄る。
「昨日携帯に電話をしたが」
「昨日は休みだったんです! だからって営業所にかけることないでしょう!」
おかげで出社してすぐ上司に呼び出されて大変だったと、スーツの男性はグチグチと自分の苦労を語った。
「ハルカちゃん! やっぱりすごいよ」
富樫が開いていたのは昨日隼人が手順を書いておいたと言っていたファイルだ。
遥にはさっぱりわからない文字の羅列だが、富樫にはわかるらしい。
富樫のパソコンに隼人の手順書ファイルを移動させ、シラカワ製作所へ向かう。
貸していたツクモのパソコンと交換し、出荷ができることも確認してもらった。
「遥ちゃん、本当にありがとう」
「お試しする時、M-ADCからパソコンを借りられるか聞いた方がいいかもしれないですね」
今、動いているシステムが止まると大変だから念のためと遥がアドバイスをすると、白河は「実はね」と話し始めた。
「昨日、息子と相談したんだが、M-ADCはやめようと思う」
「え? では違う会社に?」
在庫管理や工程を管理をするシステムは世の中にたくさんあるから、別にM-ADCじゃなくてもやれることはそんなに変わらないけれど、またイチから探すのも大変そうだ。
「今回は取説動画のソフトとの相性が悪かっただけで、M-ADCの製品は大丈夫ですよ」
実績もたくさんあると遥が伝えると、白河はボリボリと頭を掻いた。
「うちみたいな小さな部品でも、納期を守れないと組み立て工場のラインを止めてしまう。だから納期は絶対なんだ」
白河は昨日遥に連絡する前にパッケージソフトの会社やM-ADCの担当者にも連絡したが対応してもらえなかったと遥に話した。
「担当がいない、メールで送ってくれれば調査する、うちのソフトではないのでわからない」
白河の言葉に「あぁー、あるある」と富樫が頷く。
「遥ちゃんが駆けつけてくれた時、やっぱり信頼できるのはツクモだって思ったんだ」
白河は十年以上前、停電で装置が壊れたときに遥の父が駆けつけてくれたことを思い出したと笑った。
「遥ちゃん、契約更新させてくれないか?」
「いいんですか?」
「うちの保守契約じゃ、たいした売り上げにはならないだろうけど」
「ううん、うれしいです! ありがとう白河さん!」
まさか契約を更新してもらえるなんて。
感動している遥の背中を富樫がぐりぐりと押しながら揶揄う。
「富樫~! ありがと、富樫のおかげ!」
「なにいってんのさ、今すぐ行くよって飛び出したのはハルカちゃんでしょ」
遥と富樫は顔を見合わせながら、どちらからともなく笑い合う。
遥ははじめて自分が取った契約がうれしくて、思わず涙が出そうになってしまった。
「では後日、契約更新の書類を届けますね」
佐久間に契約書を作ってもらって届けてもらおう。
貸していたツクモのパソコンを富樫が鞄にしまった瞬間、男性の怒ったような声が響き渡った。
「白河さん! 酷いじゃないですか、うちのせいで動かないなんて言いがかりの電話をしてくるなんて!」
スーツだけれどノーネクタイ、ビジネス鞄ではなくリュックサック。
髪は少し長めのチャラい系の男性は、勝手に工場内に入ってくると、遥たちを気にすることなく白河に詰め寄る。
「昨日携帯に電話をしたが」
「昨日は休みだったんです! だからって営業所にかけることないでしょう!」
おかげで出社してすぐ上司に呼び出されて大変だったと、スーツの男性はグチグチと自分の苦労を語った。