こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
13.ネイルサロン
お盆休み9連休の初日。
土曜日だというのにのんびり眠ることも許されず、遥は朝から痩身エステへ行かされた。
明日のディナークルーズのためだとはわかっているが、エステに行かなくては見るに堪えない身体だと遠回しに言われている気がするのは、捻くれているのだろうか?
お腹がぐいぐいと揉まれ、ウェストをキュッと細く。
二の腕や背中もほぐして脂肪燃焼させていく。
デコルテのマッサージは気持ちが良すぎて、うっかり眠ってしまいそうに。
背中も丁寧にシェービングされ、スクラブパックで顔もツルツルだ。
「次はネイルサロンか……」
朝9時からエステ。11時半からネイルって予定を詰め込みすぎでしょ。
しかも時間がぴったりなところが悔しい。
お腹が空いたなと思いながら、遥は指定された近くのネイルサロンに向かった。
歩道から見える店内の壁側には、グラデーションを描くようにずらっと並んだマニキュアの瓶。
店内に流れるBGMは、流行りのポップス音楽。
白で統一されながらも、小物や造花が準備され、ネイル後にすぐ写真をSNSにアップできるようになっている。
個室ではなく、U字のカウンターでネイルをしてもらうスタイルで、若い子がターゲットなのだろうなと思った。
「九十九様。どうぞこちらへ」
担当のお姉さんの名札は店長だ。
「店長さん!」
「はい。リリーさんのところで働いていたんですが独立したんです」
店長はリリーからドレスに合わせて、夜空とオーロラにしてほしいと頼まれていると、遥にイメージを見せてくれた。
「おまかせします」
きっとドレスと同じように私には選択権も拒否権もない。
「では爪の形を整えさせていただきますね」
適度な雑談をしながら店長は丁寧に作業を進めていく。
「キレイな色ね」
夜空のベースになる黒色に見えるほどの暗い藍色が想像よりも綺麗で、遥は思わず好きな色だと答えた。
「勝色というんですよ」
藍を濃く染み込ませるために布を叩くことを昔は「かつ」と呼んだのだと店長が説明をしてくれる。
勝利にこだわる武士や軍人に好まれた色だと言われた遥は、なんとなく隼人らしいと思ってしまった。
白いオーロラの線も派手過ぎず絶妙。
リリーご指名なだけあるなぁと、なぜか納得してしまった。
「お待ちしておりました。伊集院様」
「ねぇ、なんであの女がいるのよ!」
あまりにも大きな声に店内は静まり返る。
UVライトを照射しながら店長と雑談していた遥も、大きな声に驚き、思わず入り口に注目してしまった。
うわ。会いたくないあのお嬢様だ。
伊集院製薬のお嬢様は今日もふりふりの花柄ワンピース。
歩き方も綺麗で生粋のお嬢様という感じがする。
性格さえよければ、見た目は可愛いからモテるだろうが、とても残念だ。
「なんでこの店にいるのよ!」
「ネイルをしに?」
「ふざけないで」
ダンッとテーブルを叩くお嬢様を注意するために、店長は静かに立ち上がる。
土曜日だというのにのんびり眠ることも許されず、遥は朝から痩身エステへ行かされた。
明日のディナークルーズのためだとはわかっているが、エステに行かなくては見るに堪えない身体だと遠回しに言われている気がするのは、捻くれているのだろうか?
お腹がぐいぐいと揉まれ、ウェストをキュッと細く。
二の腕や背中もほぐして脂肪燃焼させていく。
デコルテのマッサージは気持ちが良すぎて、うっかり眠ってしまいそうに。
背中も丁寧にシェービングされ、スクラブパックで顔もツルツルだ。
「次はネイルサロンか……」
朝9時からエステ。11時半からネイルって予定を詰め込みすぎでしょ。
しかも時間がぴったりなところが悔しい。
お腹が空いたなと思いながら、遥は指定された近くのネイルサロンに向かった。
歩道から見える店内の壁側には、グラデーションを描くようにずらっと並んだマニキュアの瓶。
店内に流れるBGMは、流行りのポップス音楽。
白で統一されながらも、小物や造花が準備され、ネイル後にすぐ写真をSNSにアップできるようになっている。
個室ではなく、U字のカウンターでネイルをしてもらうスタイルで、若い子がターゲットなのだろうなと思った。
「九十九様。どうぞこちらへ」
担当のお姉さんの名札は店長だ。
「店長さん!」
「はい。リリーさんのところで働いていたんですが独立したんです」
店長はリリーからドレスに合わせて、夜空とオーロラにしてほしいと頼まれていると、遥にイメージを見せてくれた。
「おまかせします」
きっとドレスと同じように私には選択権も拒否権もない。
「では爪の形を整えさせていただきますね」
適度な雑談をしながら店長は丁寧に作業を進めていく。
「キレイな色ね」
夜空のベースになる黒色に見えるほどの暗い藍色が想像よりも綺麗で、遥は思わず好きな色だと答えた。
「勝色というんですよ」
藍を濃く染み込ませるために布を叩くことを昔は「かつ」と呼んだのだと店長が説明をしてくれる。
勝利にこだわる武士や軍人に好まれた色だと言われた遥は、なんとなく隼人らしいと思ってしまった。
白いオーロラの線も派手過ぎず絶妙。
リリーご指名なだけあるなぁと、なぜか納得してしまった。
「お待ちしておりました。伊集院様」
「ねぇ、なんであの女がいるのよ!」
あまりにも大きな声に店内は静まり返る。
UVライトを照射しながら店長と雑談していた遥も、大きな声に驚き、思わず入り口に注目してしまった。
うわ。会いたくないあのお嬢様だ。
伊集院製薬のお嬢様は今日もふりふりの花柄ワンピース。
歩き方も綺麗で生粋のお嬢様という感じがする。
性格さえよければ、見た目は可愛いからモテるだろうが、とても残念だ。
「なんでこの店にいるのよ!」
「ネイルをしに?」
「ふざけないで」
ダンッとテーブルを叩くお嬢様を注意するために、店長は静かに立ち上がる。