魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

三章 悪女のお気に入り

シャルレーヌの元にリリーがやってきたことでルイの負担が減っていた。
それは彼女が魔法を使うことができるため、手に入るものが多い。

リリーはとにかく弱い。すぐに怯え、震え、泣き言ばかり。
なのに最後まできちんとやりきるところがおもしろい。
サンドラクト王国には一切いないタイプなので見ていて飽きない。
いても生き残れはしないだろうが。

人形のようにまったく動かなくなるルイとロミに驚いて、悲鳴を上げ続けていた。
弱くてかわいらしいリリーは終始暗い部屋に戸惑うところから始まり、泣きべそをかく始末。
何より暗い部屋に慣れずにいろいろな場所にぶつかるため、魔導具の灯りを持ちながら恐る恐る移動していく。
ルイとロミによく睨まれているが、鈍いため気づいていない。
彼女の純粋で一生懸命なところがシャルレーヌは気に入っていた。


「シャルレーヌ様のお部屋はどうしてこんなに暗くするのですか!?」

「暗いところが好きなの」

「うぅ~、いつも夜みたいです」

「それがいいの。サンドラクト王国では地下牢で暮らしてきたのよ?」

「……ちっ、地下牢!? も、もっ、もしかして悪いことをっ」

「ふふっ、さすがリリーだわ」 


シャルレーヌが罪を犯して牢に入れられたと勘違いして、ガタガタと震えるリリー。
その反応が新鮮でよく話している。
リリーは純粋で心優しいため、シャルレーヌのことを常に心配していた。
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