魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

(こんなに素直でいい子なんだもの。頭を使わなければ生き残れない貴族社会にはまったく向いていませんわね)

これではアナベルの侍女たちに都合よく使われると思っていると……。


「もっと食べないと元気がでませんから!」

「あらまぁ」

「お散歩もいきませんか? お医者さんにも動かなければと言ってましたし……」

「そうねぇ……日が沈んだら行きましょう」

「わかりました! 夕方が楽しみですねっ」


にこにこと笑いながら準備を手伝うリリーは恐ろしいくらいに手際がいい。
基本的に指示がなければ動かないルイとロミとは違い、リリーは自分からシャルレーヌのためにとよく動く。

(完全にわたくしのモノではないところがそそるのよねぇ……)

ルイとロミと真逆だからおもしろいのだ。
それに今までずっとパシリにされていたか、体力もあり根性もある。
夜型なシャルレーヌのために生活サイクルを合わせて動いてくれた。
シャルレーヌがそこまでしなくて言うと、どうやら彼女はアナベルの侍女だった頃に早朝から真夜中まで働きっぱなしだったそうだ。
どうやらアナベルの侍女たちの仕事をほとんど肩代わりしていたらしい。

(それでこの手際のよさ。納得だわ)
< 98 / 160 >

この作品をシェア

pagetop