婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
EP:3☆婚約発表と男装執事爆誕!
気がつけば、あの衝撃のギル様の訪問から数日がたち夜会当日を迎えた。
そんな私は今……
キラキラと笑う甘いマスクを被るギル様に完璧なエスコートを受けている。
社交界で人気の美しく完璧な彼が、私なんかを連れてるせいで、ものすごい注目を浴びている。
だけれど、私にとってはそんな事は重要ではないっ!
チラチラとギル様の様子を見て、私は逃げれるタイミングを見計らっていた。
うふふふ……ねぇ、ギル様?
私がここで大人しくすると思っているの?!
パートナーに選んだこと、絶対後悔させてやるんだからっ!!
隣でいつものように偽物の笑顔を貼り付けて挨拶をするギル様を見ながら、私は怪しく笑うのだった。
そして……時が来た!
ぴったりとくっついてたギル様が、少し私から離れた瞬間に
今なら行ける!!と一歩を踏み出す。
だけれど……、私の行動なんてギル様には全てお見通しだった。
おしゃべりを楽しんでいたはずの彼は、少しの私の動きに咄嗟に反応する。
こちらを見ていない彼から距離をとった私に、すっと伸びてくる長い手。
どこに目つけてんのよ?!
ってほど、自然に伸びてきた手によって、ギル様の元へと呆気なく引き寄せられた。