思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
7・隠された過去【ガルドラ視点】
 ――これはガルドラがスラム街に捨てられてから、1年が過ぎた頃の話だ。

 大人たちと完全に打ち解けるのにはまだまだ時間はかかりそうだが、年の近い子どもたちとはほぼ全員と顔見知りになれた。
 交流を深められていないのは、“名無しの1匹狼”と呼ばれている少年だけだ。

(どうにかして、あいつとも仲良くなりてぇんだがなぁ……)

 彼は四六時中、誰かしらに囲まれているガルドラを、いつだって遠巻きに睨みつけていた。
 少年がいる方向へ歩みを進めようものなら、一目散に真逆の方向へと駆け出していく。
 どうやら自分は、相当嫌われているらしい。

(あいつは赤ん坊の頃から、ずっとここで生活しているみてぇだかんな……)

 ガルドラはどこまで行っても、ある日突然現れた余所者でしかないのだろう。
 もしかすると、居場所を奪う侵略者としか思われていないのかもしれない。

(孤立している奴を見捨てるのも、どうかと思うんだが……)

 ここは嫌われるのを覚悟で、当たって砕けるべきか。
 そんなふうに考えを巡らせていたところ、名無しがいる方向とは真逆の場所で、問題が起きた。
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