マッチングした相手は片想いの社長でした

第5話 マッチング相手

いつもと変わらないオフィス。

キーボードを叩く音。

電話に応じる声。資料を抱えて行き交う社員たち。

何も変わっていない。

変わったのは――私だけ。

パソコンに向かいながら、ふとこの前の夜のことを思い出してしまう。

春樹さんの腕の中で目を覚ました朝。

『俺は君を放さない』

思い出した瞬間、頬が熱くなった。

「……社長と一夜なんて」

小さく呟いて、慌てて口を閉じる。

何を考えてるの、私。

ここ会社なのに。

その時、デスクの上のスマホが震えた。

「ん?」

画面を見る。

マッチングアプリからのお知らせだった。

――マッチングが成立しました。

「え……」

相手を確認した瞬間、胸が跳ねた。
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