目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode8ーー揺らぎ
数日後。
すっかり日の落ちた午後19時過ぎ。
残業していた真由は、静まり返った総務部のフロアで最後の書類を整理していた。
周囲の社員は既に帰宅し、フロアには真由1人しか残っていない。
そろそろ帰ろうと鞄をまとめたところで、デスクの固定電話が鳴った。
「総務部、市川です」
「……市川か」
低い、聞き覚えのある声。
鷹司からだった。
「副社長。お疲れ様です。何かご入用でしょうか」
「いや、秘書課も既に退社していてな。明日朝1番の役員会で使う追加資料だが、データではなく紙での印刷指示を出しておきたかった。急ぎではない、明日の朝1番で対応してくれればいい」
「かしこまりました。今夜のうちに印刷・セッティングまで完了させておきます」
「すまないな。……まだ残っていたのか」
電話越しに、鷹司が微かに息をのむ気配が伝わってきた。
すっかり日の落ちた午後19時過ぎ。
残業していた真由は、静まり返った総務部のフロアで最後の書類を整理していた。
周囲の社員は既に帰宅し、フロアには真由1人しか残っていない。
そろそろ帰ろうと鞄をまとめたところで、デスクの固定電話が鳴った。
「総務部、市川です」
「……市川か」
低い、聞き覚えのある声。
鷹司からだった。
「副社長。お疲れ様です。何かご入用でしょうか」
「いや、秘書課も既に退社していてな。明日朝1番の役員会で使う追加資料だが、データではなく紙での印刷指示を出しておきたかった。急ぎではない、明日の朝1番で対応してくれればいい」
「かしこまりました。今夜のうちに印刷・セッティングまで完了させておきます」
「すまないな。……まだ残っていたのか」
電話越しに、鷹司が微かに息をのむ気配が伝わってきた。