目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
「こちら、先日お渡しした議題3の補足資料でございます。お時間のある際にご確認いただけますでしょうか」

鷹司は一旦、手を止め、真由が差し出した資料を受け取ると、手際よく目を通した。

数ページをめくり、要点を素早く確認すると、短く頷いた。

「把握した。差し替えの手配、ご苦労」

​「……あの日から、急に寒くなりましたね。副社長も、どうぞご自愛くださいませ」

​真由は少しだけ悪戯心を覗かせつつ、丁寧な礼を執って退室しようとした。

すると、鷹司がデスクの引き出しから小さな上質な紙袋を取り出した。

​「市川」

​鷹司は呼び止められて振り返った真由に、紙袋を差し出した。

​「……これは?」

​「総務部への差し入れだ。取引先からいただいた菓子だが、私は甘いものをあまり食さない。部署の皆で分けるといい」

受け取った紙袋は思いのほか重みがあり、老舗洋菓子店のロゴが入っていた。

​
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