「ブルーライト文芸」の作品一覧・人気順

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ブルーライト文芸 | 対象 タイトル, キーワード, 作家名

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「これくらい、大丈夫」 その言葉を聞くと、養護教諭・安川アンナは立ち止まる。 雷が近づけば部活動を止める。 猛暑ならプール授業を止める。 「大げさだ」「安全にうるさい」と煙たがられても、アンナは譲らない。 なぜなら彼女は知っている。 「大丈夫」の先で、人が死ぬことがあると。 保健室には、大きな音や大人数が苦手な中二のナオと、身体の性に違和感を抱き、男子として生きたいと願う中一のヒカルがいる。 二人にとってアンナは、自分を否定せず、そのまま受け止めてくれる特別な先生だった。 けれどアンナにも、誰にも消せない傷がある。 三十五年前。 大学一年生だったアンナは、ヨット部で一つ年上の主将・航平と出会った。 厳しく、誰よりも安全にうるさい人だった。 「根性と無謀は違う」 「生きて帰るところまでが練習だ」 初めは怖かった先輩が、いつしか大切な人になる。 ずっと一緒に海を見られると思っていた。 しかし大学二年の春、海が荒れた。 アンナは救助された。 航平は、帰ってこなかった。 翌日、冷たくなった彼の手を握り、アンナは初めて告げる。 「好きです」 それが最初で最後の告白だった。 あの日からアンナは、航平に教わったことを胸に、生徒たちの命を守り続けている。 そしてナオとヒカルも、アンナに守られながら、少しずつ自分の人生を歩き始める。 守るとは、ずっとそばに置くことではない。 いつか、自分の足で歩けるように送り出すこと。 最愛の人を青い海に置いてきたアンナもまた、三十五年前の自分を迎えに行く。 最愛の人を失ったアンナが、誰かの明日のために生きる物語。
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