こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
9.敵情視察
気のせいでなければ、駅の入り口の横に立っている背が高い男は、肉フェスなんて全く似合わない黒豹のような男。
どうしてここに?
それよりもこの宇宙人のように両手を掴まれている私のこの姿はマズい。
いや、マズくはないけれど、やましいことはないけれど、でもマズい。
思わず足を止めてしまった遥に合わせて、佐久間と富樫も足を止めた。
「あ、あそこにいるのM-ADCのCEOだ」
「何しに来たんだよ」
佐久間と富樫の会話も気まずい!
逃げる?
逃げられる?
いや、無理だよね。
気づいた黒豹がこっちに向かってくる。
とりあえずこの手を離して、佐久間と富樫にはまた明日と言って別れて。
酔ったから支えてくれたと言い訳して、それで。
「なにか用か?」
「ちょっと、佐久間」
なぜか遥の前に出た佐久間は予定外!
そんなことされたら困るんだけど!
隼人は佐久間の顔をじっと見たあと、隣の富樫に視線を移す。
最後に佐久間の後ろの遥を確認した隼人は腕を組みながら溜息をついた。
「帰るぞ」
「なんなんだよ、あんた」
「佐久間、ごめん、また明日。富樫も、今日はありがと」
遥は佐久間を押しのけ隼人の前へ。
「また飲んだのか」
「ごめんなさい」
「おい、ハルカ」
「ハルカちゃん」
遥は急いで佐久間と富樫に手を振り、隼人の腕をつかんで歩き始めた。
なんで浮気現場が見つかった男みたいな態度を取らなきゃいけないのよ!
「あれが佐久間か。こないだも会社で一緒にいたな」
「うちの営業だから当然でしょ?」
なんで佐久間の名前を覚えるのよ!
「引き抜きはやめてよ! 佐久間も富樫もいないと困るんだから」
「あいつが……いや」
「なによ。言いかけてやめるなんて男らしくない」
「ほら乗れ、酔っ払い」
そんなに酔っていないのにタクシーに乗せられマンションへ。
「あ、お腹いっぱいだから夕食は食べられないと思う」
「……だろうな」
溜息をつきながら横を向いてしまった隼人に遥は困ってしまった。
肉フェス行っていいって言ったくせに。
ちょっとビールは飲みすぎたけれど。でも二杯だし!
タクシーがマンションの前に着いても、エレベーターに乗っている時も、隼人は無言だった。
レディーファーストで玄関に入れてくれたが会話もなかったし、そのまま部屋へ行ってシャワーで肉の匂いを落とそうと思った。
それなのに。
後ろから伸びた腕に抱きしめられているのはどういうこと?
密着した背中が熱い。
たくましい腕が目の前に?
待って、これどういう状態?
「……遥」
肩に頭を寄せられ、首筋で名前を呼ばれた遥の心臓が跳ねる。
隼人の顔は見えないけれど、これは恋人にする動作では?
どういうこと?
「もう我慢できない」
ってなにがー!?
ワタワタと慌てる遥の前に隼人の右手が出てくる。
左手はがっちりと遥を抱えたままだ。
「スマホを寄こせ」
「……は?」
スマートフォン?
遥がズボンのポケットに入っていたスマートフォンを取り出すと、あっさりと隼人に奪われてしまった。
どうしてここに?
それよりもこの宇宙人のように両手を掴まれている私のこの姿はマズい。
いや、マズくはないけれど、やましいことはないけれど、でもマズい。
思わず足を止めてしまった遥に合わせて、佐久間と富樫も足を止めた。
「あ、あそこにいるのM-ADCのCEOだ」
「何しに来たんだよ」
佐久間と富樫の会話も気まずい!
逃げる?
逃げられる?
いや、無理だよね。
気づいた黒豹がこっちに向かってくる。
とりあえずこの手を離して、佐久間と富樫にはまた明日と言って別れて。
酔ったから支えてくれたと言い訳して、それで。
「なにか用か?」
「ちょっと、佐久間」
なぜか遥の前に出た佐久間は予定外!
そんなことされたら困るんだけど!
隼人は佐久間の顔をじっと見たあと、隣の富樫に視線を移す。
最後に佐久間の後ろの遥を確認した隼人は腕を組みながら溜息をついた。
「帰るぞ」
「なんなんだよ、あんた」
「佐久間、ごめん、また明日。富樫も、今日はありがと」
遥は佐久間を押しのけ隼人の前へ。
「また飲んだのか」
「ごめんなさい」
「おい、ハルカ」
「ハルカちゃん」
遥は急いで佐久間と富樫に手を振り、隼人の腕をつかんで歩き始めた。
なんで浮気現場が見つかった男みたいな態度を取らなきゃいけないのよ!
「あれが佐久間か。こないだも会社で一緒にいたな」
「うちの営業だから当然でしょ?」
なんで佐久間の名前を覚えるのよ!
「引き抜きはやめてよ! 佐久間も富樫もいないと困るんだから」
「あいつが……いや」
「なによ。言いかけてやめるなんて男らしくない」
「ほら乗れ、酔っ払い」
そんなに酔っていないのにタクシーに乗せられマンションへ。
「あ、お腹いっぱいだから夕食は食べられないと思う」
「……だろうな」
溜息をつきながら横を向いてしまった隼人に遥は困ってしまった。
肉フェス行っていいって言ったくせに。
ちょっとビールは飲みすぎたけれど。でも二杯だし!
タクシーがマンションの前に着いても、エレベーターに乗っている時も、隼人は無言だった。
レディーファーストで玄関に入れてくれたが会話もなかったし、そのまま部屋へ行ってシャワーで肉の匂いを落とそうと思った。
それなのに。
後ろから伸びた腕に抱きしめられているのはどういうこと?
密着した背中が熱い。
たくましい腕が目の前に?
待って、これどういう状態?
「……遥」
肩に頭を寄せられ、首筋で名前を呼ばれた遥の心臓が跳ねる。
隼人の顔は見えないけれど、これは恋人にする動作では?
どういうこと?
「もう我慢できない」
ってなにがー!?
ワタワタと慌てる遥の前に隼人の右手が出てくる。
左手はがっちりと遥を抱えたままだ。
「スマホを寄こせ」
「……は?」
スマートフォン?
遥がズボンのポケットに入っていたスマートフォンを取り出すと、あっさりと隼人に奪われてしまった。