こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
10.天才
こんなに読み取り性能が良く、しかもスマートフォンのカメラだけで文字起こしができてしまうアプリを遥はジッと見つめた。
「最初はねアルファベットだけだったんだけど、数年前かな。日本語にも対応したんだ」
「なんでそんなに詳しいのよ、富樫」
まさか転職する気? と遥が詰め寄ると、富樫は両手をぶんぶんと左右に振り、しないしないと慌てた。
「子どもの頃、イベントで会ったことがあって。名前を覚えていて」
「名前を覚えているってことは、よっぽど変な子だったのね」
子どもの頃から俺様だったのかなと遥は想像する。
「その時からすごく天才で」
「富樫より?」
「俺なんて全然だよ」
お受験でエスカレーター式の私立に通っていた富樫よりも天才なんて、どんな神童だったのだろうか?
イベントで会った程度の相手の名前を大人になっても覚えているなんて、相当印象に残っているということだ。
「大学時代も彼の英語の論文とか読んだから」
「やっぱり富樫、天才だわ」
これこれと見せられた英語の文章に遥は無理無理と首を横に振る。
英語の論文が読める富樫も、もちろんこれを書いた隼人も、自分とは頭脳が別次元だなと遥は溜息をついた。
「社長、シラカワ製作所さんからお電話です」
「白河さんから?」
遥が電話を代わると、白河は切羽詰った様子だった。
パソコンが突然動かなくなり、出荷ができず困っている。
ツクモソフトに頼むのはおかしいとはわかっているが、他に頼れるとこがないので助けて欲しいと白河に言われた遥は、すぐ行きますと快諾した。
「富樫! ごめん。一緒にシラカワ製作所へ行って!」
「どうしたの?」
「パソコンが動かなくなったって。出荷の」
「出荷ってうちのソフトじゃないよね?」
「でも天才富樫ならなんとかできるでしょ!」
むちゃぶりだよと笑いながら富樫は出かける準備をしてくれる。
退職者が使っていたノートパソコンとUSBメモリを持ち、遥と富樫はシラカワ製作所に向かった。
「ごめんね、遥ちゃん」
白河は申し訳なさそうにペコペコしながら出荷のパソコンへ案内してくれた。
出荷のシステムはツクモソフトではなく、一般的なパッケージソフトだった。
「ソフト会社に問い合わせをしたけれど」
電話で言われた内容はすべて試したし、送ってくれと言われた画面は全部メールで送ったが、調査に一週間ほどかかると言われたと白河は頭を掻いた。
買ったときのパッケージや問い合わせ先の紙が小さなパソコンラックに広げられ、切羽詰まった状態だというのがよくわかる。
「富樫、お願い」
富樫は持ってきたパソコンにインストールディスクを入れ、紙に書かれた設定を入力していく。
30分ほどで設定は終わり、ツクモソフトのパソコンだが出荷検査が行える状態にしてくれた。
「最初はねアルファベットだけだったんだけど、数年前かな。日本語にも対応したんだ」
「なんでそんなに詳しいのよ、富樫」
まさか転職する気? と遥が詰め寄ると、富樫は両手をぶんぶんと左右に振り、しないしないと慌てた。
「子どもの頃、イベントで会ったことがあって。名前を覚えていて」
「名前を覚えているってことは、よっぽど変な子だったのね」
子どもの頃から俺様だったのかなと遥は想像する。
「その時からすごく天才で」
「富樫より?」
「俺なんて全然だよ」
お受験でエスカレーター式の私立に通っていた富樫よりも天才なんて、どんな神童だったのだろうか?
イベントで会った程度の相手の名前を大人になっても覚えているなんて、相当印象に残っているということだ。
「大学時代も彼の英語の論文とか読んだから」
「やっぱり富樫、天才だわ」
これこれと見せられた英語の文章に遥は無理無理と首を横に振る。
英語の論文が読める富樫も、もちろんこれを書いた隼人も、自分とは頭脳が別次元だなと遥は溜息をついた。
「社長、シラカワ製作所さんからお電話です」
「白河さんから?」
遥が電話を代わると、白河は切羽詰った様子だった。
パソコンが突然動かなくなり、出荷ができず困っている。
ツクモソフトに頼むのはおかしいとはわかっているが、他に頼れるとこがないので助けて欲しいと白河に言われた遥は、すぐ行きますと快諾した。
「富樫! ごめん。一緒にシラカワ製作所へ行って!」
「どうしたの?」
「パソコンが動かなくなったって。出荷の」
「出荷ってうちのソフトじゃないよね?」
「でも天才富樫ならなんとかできるでしょ!」
むちゃぶりだよと笑いながら富樫は出かける準備をしてくれる。
退職者が使っていたノートパソコンとUSBメモリを持ち、遥と富樫はシラカワ製作所に向かった。
「ごめんね、遥ちゃん」
白河は申し訳なさそうにペコペコしながら出荷のパソコンへ案内してくれた。
出荷のシステムはツクモソフトではなく、一般的なパッケージソフトだった。
「ソフト会社に問い合わせをしたけれど」
電話で言われた内容はすべて試したし、送ってくれと言われた画面は全部メールで送ったが、調査に一週間ほどかかると言われたと白河は頭を掻いた。
買ったときのパッケージや問い合わせ先の紙が小さなパソコンラックに広げられ、切羽詰まった状態だというのがよくわかる。
「富樫、お願い」
富樫は持ってきたパソコンにインストールディスクを入れ、紙に書かれた設定を入力していく。
30分ほどで設定は終わり、ツクモソフトのパソコンだが出荷検査が行える状態にしてくれた。