こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
15.ディナークルーズ
白い大きな豪華客船を近くで見るのはもちろん初めてだし、桟橋を歩くのも初めての体験。
こんな柵もない場所を歩くなんて怖すぎる!
「今日は歯科医師会の柘植会長の招待だ。夫人が遥と話したいからと招待してくださった」
柘植会長夫人は、遥が水をぶっかけられた時に化粧にいた年配の女性。
先日、山本製薬の山本会長がスポンサーになってくれるかもしれないと言っていた女性だ。
「……下見じゃないんだ」
てっきりお嬢様とのディナクルーズの下見だと思っていたのに、仕事だったとわかりホッとしてしまった。
「下見?」
「ううん、なんでもない」
「がんばれよ」
え? がんばれ? なにを?
聞こうと思ったのに黒服に案内され、聞くタイミングを失う。
遥は隼人にエスコートされながら船の中に足を踏み入れた。
大きな窓から外が綺麗に見える窓側の席へ案内された遥は、非日常空間に胸が高鳴る。
テーブルの上に置かれたメニューはフレンチのコースだろうか?
乾杯スパークリングワインから始まり、見慣れない料理名が続く。
「飲みすぎるなよ」
「ワイン2杯なら大丈……」
いや、大丈夫かどうかあやしい。
つい先日もワインの瓶を粉々に割ったばかりだ。
「自粛します」
珍しく大人しくなった遥を見ながら隼人は笑いを堪える。
クルーズ船が動きだし、開会のあいさつ・乾杯と続いたあと、会場内はディナータイムとなった。
おしゃれに飾り付けられている生ハムとチーズもおいしい。
鮮魚のソテーもホタテも最高だ。
「おいしい」
船の上から東京タワーとレインボーブリッジの夜景を見ながらフレンチって贅沢すぎない?
黒毛和牛フィレ肉は柔らかいし、桃のソルベもおいしくて仕事ということを忘れてしまいそうだ。
「あとでデッキに行こう」
360度の夜景が見えると言われた遥は思わず素直に頷いてしまった。
食後のコーヒーが運ばれたあたりで、会場のモニタにスライドが表示される。
歯科医師会らしいオーラルケアの話や健康寿命の話から災害時の歯科医療、最後は学会のような難しい内容まであったが、すべて短くまとめられており遥でも退屈せずに聞くことができた。
「今から話すあの人が柘植会長だ。うちの地域の会長をしている」
「地域って?」
「日本歯科医師会というのがあって、その下に地域別で歯科医師会がある」
「都道府県ってこと?」
「まぁそんなところだ」
人生100年時代だからこそ、歯を大切にしてほしい。
定期的に歯医者に行こうという案内を年配者にしたいという話になっていく。
「そこで、ツクモソフトさんの健康管理アプリに動画広告を出してはどうかと」
急に会社名を呼ばれた遥は、いたずらがバレた子どものようにビクッと身体が跳ねる。
ニヤッと笑った目の前の男は絶対知っていたでしょ!
なんで今まで黙っているのよ!
「今日はこの会場にツクモソフト代表取締役社長の九十九さんをご招待していますので、健康管理アプリについてお話をうかがいたいと思います」
待って、待って、待って!
そんな話は聞いていない!
しゃべることの準備とか、心の準備とか、何かさせなさいよ!
こんな柵もない場所を歩くなんて怖すぎる!
「今日は歯科医師会の柘植会長の招待だ。夫人が遥と話したいからと招待してくださった」
柘植会長夫人は、遥が水をぶっかけられた時に化粧にいた年配の女性。
先日、山本製薬の山本会長がスポンサーになってくれるかもしれないと言っていた女性だ。
「……下見じゃないんだ」
てっきりお嬢様とのディナクルーズの下見だと思っていたのに、仕事だったとわかりホッとしてしまった。
「下見?」
「ううん、なんでもない」
「がんばれよ」
え? がんばれ? なにを?
聞こうと思ったのに黒服に案内され、聞くタイミングを失う。
遥は隼人にエスコートされながら船の中に足を踏み入れた。
大きな窓から外が綺麗に見える窓側の席へ案内された遥は、非日常空間に胸が高鳴る。
テーブルの上に置かれたメニューはフレンチのコースだろうか?
乾杯スパークリングワインから始まり、見慣れない料理名が続く。
「飲みすぎるなよ」
「ワイン2杯なら大丈……」
いや、大丈夫かどうかあやしい。
つい先日もワインの瓶を粉々に割ったばかりだ。
「自粛します」
珍しく大人しくなった遥を見ながら隼人は笑いを堪える。
クルーズ船が動きだし、開会のあいさつ・乾杯と続いたあと、会場内はディナータイムとなった。
おしゃれに飾り付けられている生ハムとチーズもおいしい。
鮮魚のソテーもホタテも最高だ。
「おいしい」
船の上から東京タワーとレインボーブリッジの夜景を見ながらフレンチって贅沢すぎない?
黒毛和牛フィレ肉は柔らかいし、桃のソルベもおいしくて仕事ということを忘れてしまいそうだ。
「あとでデッキに行こう」
360度の夜景が見えると言われた遥は思わず素直に頷いてしまった。
食後のコーヒーが運ばれたあたりで、会場のモニタにスライドが表示される。
歯科医師会らしいオーラルケアの話や健康寿命の話から災害時の歯科医療、最後は学会のような難しい内容まであったが、すべて短くまとめられており遥でも退屈せずに聞くことができた。
「今から話すあの人が柘植会長だ。うちの地域の会長をしている」
「地域って?」
「日本歯科医師会というのがあって、その下に地域別で歯科医師会がある」
「都道府県ってこと?」
「まぁそんなところだ」
人生100年時代だからこそ、歯を大切にしてほしい。
定期的に歯医者に行こうという案内を年配者にしたいという話になっていく。
「そこで、ツクモソフトさんの健康管理アプリに動画広告を出してはどうかと」
急に会社名を呼ばれた遥は、いたずらがバレた子どものようにビクッと身体が跳ねる。
ニヤッと笑った目の前の男は絶対知っていたでしょ!
なんで今まで黙っているのよ!
「今日はこの会場にツクモソフト代表取締役社長の九十九さんをご招待していますので、健康管理アプリについてお話をうかがいたいと思います」
待って、待って、待って!
そんな話は聞いていない!
しゃべることの準備とか、心の準備とか、何かさせなさいよ!