仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
甘く乱れるドレス

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あの夜の、甘く痺れるような熱が消えない。

そんな私のことなんかつゆ知らず。時間は淡々と過ぎていく。


────あれからさらに一週間。

パーティーに向けてふたりで過ごす習慣は変わらず続いていた。

時間が合えば食卓を囲み、寝る前にはリビングで言葉を交わす。
そのためにお互いの予定をこまめに共有し合うことも増えた。

私たちの関係は、理想の夫婦のかたちに確実に近づいている。


ただ……───。

期待していたような、あるいは恐れていたような。
あの夜と同じ間違いが起こることは一度もなかった。

統悟さんはどこまでも紳士的で、私のことを大切に扱ってくれる。

けれど、その優しさに触れるたび、これは偽装のための演技なのだと現実を突きつけるようで、胸の奥がほんの少し痛むのだった。


そんな、どこか停滞した日々の中に、あるとき、突然新しい出来事が舞い込んできた。

それが現在────木曜日の午後のこと。
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