仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
不可侵な恋情
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──── 一週間後。
本当にどういうわけか、婚姻届には夜見社長と私の名前が並んでいた。
現在、朝の十時半を少し回ったころ。
リビングルームの向かいのソファには、今から三十分ほど前に仕事の合間を縫って帰ってきた夜見社長が座っている。
帰ってきたと言っても、この一週間のうち彼がこの部屋にいた時間なんて、多く見積もってもたったの二時間くらいだ。
社長ともなれば、他に寝泊まりする場所などいくらでもあるのだろうけれど、いったい毎日どこで夜を過ごしているのか。
加えて、毎晩恋人の家に通っているという例の噂の真偽も気になるところ。
私たちは所詮、愛のない利益だけの関係────いわゆる偽装結婚。
愛人がいたとしても咎める必要はないのだけど、相手の想いを考えると複雑で……。
いずれにしても、部屋を借りているだけの身でそんなことを聞けるはずもなかった。
「自分から提案しておいてなんですが、承諾していただけるとは思っていませんでした」
婚姻届を受け取った彼が、薄く笑いながら目を細めた。
「この後これを役所へ出しに行くわけですが、本当によろしいですか? 今ならまだ間に合いますよ」
「……はい、大丈夫です」
そうして頭を下げたはいいものの、結婚というものがなんだか急に現実味を帯びてきたようで、漠然と不安が押し寄せる。