仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

「──いえ、すみません。やはりまだ……少し確認したいことがありまして……」

おそるおそる切り出した私に、彼は変わらない笑顔で、ええ、と頷いた。

「社長のほうこそ、本当によろしいのでしょうか……?」

「俺ですか?」

「もちろんご自身のお気持ちもそうなんですが、その……今さらですが、ご両親などは猛反対されるのではないかと……思いまして。立場が、あまりに違いすぎますし……」


大財閥の御曹司である彼と、ただの一社員でしかない私。
誰が見ても釣り合いが取れていないと感じるはずだ。

お金持ちの家のことなんてよく知らないけれど、結婚となればまず何より家柄を重んじるものじゃないんだろうか。

私と違って、代々受け継がれてきた気高い血筋や、築き上げてきた信用、社会的地位がある。
それらを守るのが彼らの責務だろうし、特に結婚となれば軽々しく決断できるものでは……────


「問題ありません。両親には昔から“好きな相手と結婚しても構わない”と言われています」
< 82 / 207 >

この作品をシェア

pagetop