追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
10・君には言えない真実【ダリウス】
 妹と手を組んだのは、失敗だった。

 そう後悔する羽目になったのは、ラシリネが涙ぐみながら口にしたある言葉のせいだった。

「陛下がアオリと想いを通じ合わせていたとしても、私は何かを言える立場ではありません……」

 アデラプス王国を守護するべき聖女が領土の外に出たかと思えば、敵対する帝国の皇帝と親しそうに2人きりで話をしている。
 そんな状況は、誰がどう見ても親密な関係だと勘違いされてもおかしくはない状況だった。

(魔具のやり取りを誰かに見られるのを恐れるあまり、従者をつけずにあの女と面と向かって交渉をするべきではなかったか……)

 ダリウスは適当にはぐらかして彼女と距離を置かなかったのを後悔しながら、最愛の聖女と距離を縮めるべく行動に移す。

(どうにか誤解を解き、恋仲になれたからいいものの……)

 この状況は、想定外もいいところだ。

(俺はいつだって、想定通りに物事を進められずに生きている……)

 このままではいけない。
 それは重々理解している。
 だからこそ、ラシリネを追放した国王とあらぬ誤解を生むきっかけとなったアオリに報復する機会を、虎視眈々と狙っていた。
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