追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「用は済んだ。長居は無用だ」
『その通り! 目的も達したし、撤収しようぜ! あとはお若い2人で、幸せにな!』

 ラシリネはすぐさまダリウスの手を取ろうとしたが、既のところで指を止める。
 神の言葉が、脳内に響いたからだ。

「ラシリネ?」
「い、いえ! 神様が天界へお帰りになる際、口にした言葉を気にしてしまって……」
「まったく。あの男は……」

 皇帝は呆れたように吐き捨てたあと、中途半端に空中で止まっていた指先を絡め合う。
 離れないように、強く。

「帰ろう。我が王城に」
「はい!」

 ラシリネは最愛の皇帝と繋いだ指先から伝わる熱を思う存分堪能し、幸福感でいっぱいになりながら帰路についた。
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