意地悪な副社長に狂うほど愛される
策略
「それで? 私に用とはなんでしょうか? お兄様?」
両家の顔合わせを御堂駿にすっぽかされてから、3日が経っていた。
未だに彼の居場所はわからないらしい。
惨めな思いをした私に会いに来たのはその兄、御堂頼。
「彼の居所は知らなくてよ?」
「そのことは、こっちで調べている。今日はお願いがあってきたんだ」
「お願い?」
「ああ、駿との婚約を破棄してくれ」
なるほど。そう来たか。
「なぜです?」
「父は弟に失望している。今がチャンスだ。このままではあいつは社長の座にはつけない」
「なるほど。私が怒って婚約破棄を申し出たら、あなたにチャンスが来るってことですね?」
「理解が早くて助かるよ」
「何を身勝手な!」
私たちの話を静かに傍観していた村田が口を挟んだ。
「村田」
「す、すみません」
すぐに後ろに下がった。
本当に情けない男。
村田が私に好意を持っているのは知っている。
私たちは幼馴染みだ。
村田の父は私の父の執事だった。
しかし村田が中学の時に病死。
私の父は彼を息子同然に可愛がっていたので、そのまま、うちに住まわせた。
大学まで出させ、恩を感じた村田は私の執事に。
幼少期から私と村田は仲が良かった。
私も彼のことをずっとーー
言葉に出さなくても私たちは思い合っていた。
いつか、結婚すると思っていたのに。
私はグッと奥歯を噛んだ。
「婚約破棄はいたしません」
「弟は会社まで捨てた。他の女のところにいるんですよ」
「ええ、知ってますよ。宮木あゆ美さんですよね?」
「し、知ってたのか?」
「はい」
「知ってて、どうして」
「別に愛人の1人や2人、いてもいいと思っていますの」
ちらりと村田を見ると下を向き、拳を握りしめている。
その思いを早く私にぶつけてーー
私は目を瞑って深呼吸した。
「私は恋愛結婚なんてしないって決めたので」
「私、亘のことが好き!」
村田亘が執事になってすぐに私は告白した。
「凜華……」
気持ちは私と同じだと思っていた。
「いや、お嬢様」
ハッとした。
「私は、あなたを支える執事です。それ以下でも以上でも、ありません」
「なんでよ!」
「お嬢様にお似合いの相手は私ではありません」
「なんで、そんなことあなたが決めるの!? だいたいお似合いって何よ!」
「お嬢様と同じレベルの男ということです。とにかく、先程の話は聞かなかったことにします」
一世一代の告白だったのに、私は玉砕した。
それでも、毎日一緒にいる村田への思いをすぐに拭うことはできなかった。
そんな時に父から見合いの話を受けた。
相手は御堂駿。
彼なら村田のいう同じレベルの男だろう。
これは私の村田への挑戦だった。
私が他の男の、しかも村田の望むような男と本当に結婚する。
結婚しても村田はずっと私の傍にいることになるだろう。
そんなこと、気弱な亘が堪えられるはずがないーー
「私は結婚します!」
自分でも驚くほど大きな声が出て、目の前に義兄になる予定の男は驚いた表情をしていた。
両家の顔合わせを御堂駿にすっぽかされてから、3日が経っていた。
未だに彼の居場所はわからないらしい。
惨めな思いをした私に会いに来たのはその兄、御堂頼。
「彼の居所は知らなくてよ?」
「そのことは、こっちで調べている。今日はお願いがあってきたんだ」
「お願い?」
「ああ、駿との婚約を破棄してくれ」
なるほど。そう来たか。
「なぜです?」
「父は弟に失望している。今がチャンスだ。このままではあいつは社長の座にはつけない」
「なるほど。私が怒って婚約破棄を申し出たら、あなたにチャンスが来るってことですね?」
「理解が早くて助かるよ」
「何を身勝手な!」
私たちの話を静かに傍観していた村田が口を挟んだ。
「村田」
「す、すみません」
すぐに後ろに下がった。
本当に情けない男。
村田が私に好意を持っているのは知っている。
私たちは幼馴染みだ。
村田の父は私の父の執事だった。
しかし村田が中学の時に病死。
私の父は彼を息子同然に可愛がっていたので、そのまま、うちに住まわせた。
大学まで出させ、恩を感じた村田は私の執事に。
幼少期から私と村田は仲が良かった。
私も彼のことをずっとーー
言葉に出さなくても私たちは思い合っていた。
いつか、結婚すると思っていたのに。
私はグッと奥歯を噛んだ。
「婚約破棄はいたしません」
「弟は会社まで捨てた。他の女のところにいるんですよ」
「ええ、知ってますよ。宮木あゆ美さんですよね?」
「し、知ってたのか?」
「はい」
「知ってて、どうして」
「別に愛人の1人や2人、いてもいいと思っていますの」
ちらりと村田を見ると下を向き、拳を握りしめている。
その思いを早く私にぶつけてーー
私は目を瞑って深呼吸した。
「私は恋愛結婚なんてしないって決めたので」
「私、亘のことが好き!」
村田亘が執事になってすぐに私は告白した。
「凜華……」
気持ちは私と同じだと思っていた。
「いや、お嬢様」
ハッとした。
「私は、あなたを支える執事です。それ以下でも以上でも、ありません」
「なんでよ!」
「お嬢様にお似合いの相手は私ではありません」
「なんで、そんなことあなたが決めるの!? だいたいお似合いって何よ!」
「お嬢様と同じレベルの男ということです。とにかく、先程の話は聞かなかったことにします」
一世一代の告白だったのに、私は玉砕した。
それでも、毎日一緒にいる村田への思いをすぐに拭うことはできなかった。
そんな時に父から見合いの話を受けた。
相手は御堂駿。
彼なら村田のいう同じレベルの男だろう。
これは私の村田への挑戦だった。
私が他の男の、しかも村田の望むような男と本当に結婚する。
結婚しても村田はずっと私の傍にいることになるだろう。
そんなこと、気弱な亘が堪えられるはずがないーー
「私は結婚します!」
自分でも驚くほど大きな声が出て、目の前に義兄になる予定の男は驚いた表情をしていた。