【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

最終章『番ではない私でよろしいのですか?』



「......っ、ふ.....っ」

「.....ジャスミン?」

「どうして......どうして」

 ーー来たのです.....っせっかく.....あなたの隣を、諦めようと、してるのに......

「............」

 荒くなった息を吐きながら、涙が溢れた。
 みっともない顔を見られたくなくて手で顔を覆った。

 後ろから私を強く抱く彼の腕は一向に解けない。それどころか、もっときつく抱き寄せられる。

 触れている場所から彼の熱が服越しに伝わってくる。その温かさが、嬉しくて、切なくて....大好きで。

 離れなければと思うのに、離れないでと願ってしまう。

 ずるい。あなたはずるい。

 あなたが優しくするから。
 甘く微笑むから。
 大切に触れるから。

 もっと近づきたくなって、触れてほしくなって、私だけを見て欲しくなって。

 どんどん欲張りになってしまう。

 もうこれ以上、好きにさせないで.....

 離れられなくなるからーー。

「どうして、諦める....?」

「....え?」

「なぜ、離れるんだ....?」

 吐息がかかるほど近くで、耳に直接吹き込まれた声が心を震わせた。

 まるで、恋しいと言われているみたいだ。
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