【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「だ、だって.....あなたには番が.....っ」
都合のいい考えを振り払うように力一杯、身を離そうと動いた。
「離れるな」
「きゃっ」
だが、できなかった。
私の動きを感じとり、既に隙間なく触れ合った背が更に密着するほど腕に力を込められたから。
低く唸る声で制止されて、びくともしない腕に絡め取られて、身動きもままならない。
「..........っ」
骨が軋む音まで聞こえそうで、私は目を瞑った。
「っ、す、すまない。一瞬、我を失った」
息を詰めた気配を感じたのか、腕が緩む。
「大丈夫か?」
「は、はい」
「....うむ、こっちの方がいいな」
「....っ、なっ」
彼はホッと息を吐いてから、突然私を横抱きにした。
「これで、ジャスミンの顔を見ながら話ができる」
ふっと笑って、そのまま直接青い芝にあぐらをかいて座った。腕は回された状態で、彼の膝の上にそっと下ろされる。
「こんなの、恥ずかしいです」
「ジャスミン....会いたかった」
「ん......」
不意に額に口付けられて、鼻にかかる声が漏れた。唇が離れると、カァと羞恥に襲われた。
「だ、だから!どうしてそういうことをするのですっ」
「どうしてって....愛する君に、気持ちを伝えるためだ」
ひどく真剣な顔つきで真っ直ぐ向けられた言葉に、動揺を隠せない。
「.....っ、あ、愛するって....」
「寄り道した夜も言っただろう?」
「あれって、夢じゃ....」
「いや、俺は言った。君が好きだと」
「で、でも。あなたには.....」
「虫がいいのは理解している。君を愛せないと傷つけておきながら言えた立場でないことも、矛盾していることもわかっている。本当に、すまない....」
「..........」
フェンリル様は、眉尻を下げて言い募る。