御曹司はただの同期のはずだったのに

⑤ もう二度と離さない

週が明けた朝、理人から短いメッセージが届いた。

「少し話せるか」

胸がざわつくまま、小会議室へ向かった。

小会議室に入ると、理人は真剣な目で私を待っていた。

「玲奈。俺にはおまえしかいない」

真っ直ぐな声だった。

迷いも、逃げもない。

「理人……」

名前を呼ぶだけで、胸がいっぱいになる。

こんなふうに言ってくれるなんて、思っていなかった。

「今まで言わずにいたこと、後悔してる」

理人の指が、そっと私の頬に触れる。

「俺の恋人になってくれ」

その言葉に、涙が滲む。

もう、とっくに。

そう思っていたのに。

ちゃんと、言葉にしてくれる。

それが、こんなにも嬉しいなんて。

私はそのまま、理人に抱きついた。

強く。離れないように。

「……うん」

小さく頷くと、理人の腕がしっかりと返ってくる。
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