御曹司はただの同期のはずだったのに

③ 嫉妬で許せない夜

朝のオフィスに、少しだけざわついた空気が流れていた。

「桐谷さん、見て下さい!」

勢いよく声をかけてきたのは、後輩の公太だった。

「俺、2位ですよ」

誇らしげにスマホの画面を見せてくる。

営業成績ランキング。

その名前は、確かに2位にあった。

「すごいじゃん」

思わず素直に笑う。

「東條の次だなんて、なかなかやるじゃない」

そう言うと、公太は少し照れたように頭をかいた。

「いや、まだまだですけど……でも、ちょっと自信つきました」

その素直さに、つい笑ってしまう。

「コーヒー奢ってください」

「はあ?」

いきなりの一言に、思わず声が出る。

「ご褒美ってことで」

「仕方ないな」

軽くため息をつきながらも、断らない自分に気づく。

(……ほんと、調子いいんだから)
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