私を言葉で抱く年下作家の溺愛

④ 今夜が最後だとしても、あなたを愛してる

発売から三か月後。

『教室の女神』は、あらゆる雑誌に取り上げられていた。

書店の平台。ランキングの上位。

どこを見ても、そのタイトルが並んでいる。

「……すごいわね」

モニターに映る記事一覧を見ながら、思わず呟く。

新人賞から五年。鳴かず飛ばずだった作家が——

今は、誰もが知る名前になりつつある。——雨宮蓮。

「とうとう、やったじゃない」

その瞬間、編集部の電話が、鋭く鳴り響いた。

一本じゃない。次々と、鳴り止まない。

「はい、東洋出版です」

対応の声が、あちこちで重なる。

ざわめく空気。明らかに、いつもと違う。

その中で——

「編集長、大変です!」

木原君が、勢いよく立ち上がった。
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