私を言葉で抱く年下作家の溺愛
普段の軽さとは違う。本気の声。

私は顔を上げた。

「何?」

短く問う。すると彼は、受話器を押さえたまま言った。

「『教室の女神』、映画化の打診です!」

——一瞬、思考が止まる。

「……映画化?」

「はい!」

木原君は、興奮を抑えきれない様子で頷く。

「制作会社から直で来てます!」

その言葉に、編集部の空気が、一気に変わった。

「映画?」

「もうそこまで行ったのか……」

ざわめきが広がる。私はゆっくりと立ち上がった。

木原君から電話を受け取る。

「はい。東洋出版で編集長をしております、神谷です」

落ち着いた声で応対する。

でも、胸の奥では、確かに熱が広がっていた。

——ここまで来た。
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