没落令嬢ですが偵察の一夜をきっかけに皇太子に溺愛されています

7章 執着の加速

実家に戻った私の元へ――ある日、アルヴィオン様は現れた。

「おまえがいないと、執務ができない」

扉を開けた瞬間、そんな言葉を落とされる。

「殿下……」

嬉しい。けれど――

(もう、一緒にいてはいけないのに)

胸が締めつけられる。

「もう……私のことは忘れてください」

なんとか言葉にする。

だが、その瞬間――強く引き寄せられた。

「忘れるものか」

唇が重なる。抗おうとするのに、力が入らない。

「おまえは、今でも俺の女だ」

低く、断言する声。

ソファへと押し倒され、距離が一気に縮まる。

「ダメです、殿下……」

そう言いながらも、拒みきれない。

「だったら、なぜ引き離さない」
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