没落令嬢ですが偵察の一夜をきっかけに皇太子に溺愛されています

10章 結婚と愛の完成

そして――一か月後。

アルヴィオン様と私の結婚式が、盛大に執り行われることとなった。

宮殿は祝福に包まれ、普段は静かな回廊も、この日ばかりは華やいでいる。

「まったく……婚約と同時にプロポーズとは。我が息子ながら、困ったものだ」

控えの間で、国王がぶつぶつと文句を言っている。

「まあまあ」

アルヴィオン様は、どこか楽しそうに肩をすくめた。

「俺たちは、婚約前から愛し合っていましたから。これでも遅い方ですよ」

「それが気に食わん」

ぴしゃりと返される。

そのまま、国王はアルヴィオン様の肩を軽く叩いた。

「おまえがリゼリア嬢の元へ通っていると聞いた時はな……心臓が止まるかと思ったぞ」

「どうしてですか」
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