皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
4.夫婦の誓い
腕輪を贈られて二日が過ぎた。

せめてもの礼にと、私が大好きな紅茶と日頃の疲れが少しでも癒やされるよう煎じた薬草茶を、礼をしたためた手紙とともにアレン様に贈った。

その後、ギルハンからアレン様が喜ばれていたと伝えられた。

ヴェールと腕輪を身につけて、広い庭園を散策する。

ウキヌの森に生息する薬草の類いはないが、手入れされた庭はとても美しく、草木の香りにホッと肩の力を抜く。

少しずつ暮らしに慣れてきたとはいえ、いまだ公爵夫妻との顔合わせもなく、アレン様との仲は良好とは言いがたい。

さらに誰とは限定できないが、ふとした折りに探るような視線を屋敷内で感じるときもある。

そのため、両親と暮らしていたような安息は得られず、伯爵家のようにも落ち着けず、常に気を張っている。

ただ、屋敷内で彼の魔力の残滓を感じる機会が多いせいか痣が痛まないのは幸いだ。

同時に彼の魔力過多が少しでも和らぐよう祈っている。

ここに移ってまだ一カ月少しだが、私は今後上手く折り合いをつけて暮らしていけるだろうか。

塞ぎ込みそうになる弱い心を必死に振り払う。

最近は日中の日差しが温かく過ごしやすい。

もうすぐ眩しく強烈な日差しの汗ばむ季節がやってくるのだろう。

気分を変えるべく見上げた空は、ヴェール越しのせいか少し色がぼやけて見えた。

屋敷内の人々は最初の頃こそヴェール姿の私に若干驚いている様子だったが、今では自然に受け入れられている。
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