皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「はい、もちろん。デザイン画以上の見事な仕上がりでしたね」
「イスズの紹介だからな」
柔らかな物言いに胸の奥が波立ち、鋭いトゲが刺さった気がした。
イスズ、その名前を以前も聞いた記憶がある。
その方の話をする際の彼の口調は、とても穏やかで心を許しているように思えた。
「イスズに礼を伝えて、希望の菓子を用意しておくか」
苦笑まじりの彼の言葉を最後まで聞く前に、その場を離れた。
無言で自室に戻り、ソファに座りこんだ私に、メアリが気遣わしげな視線を向ける。
屋敷の間取りを頭に入れていたせいで迷いもせず、ほかの侍女たちにも見つからず戻れたのは幸いだった。
「お礼を伝え忘れちゃって……ダメね。今日はもう遅いから明日にでも手紙を書くつもり。メアリ、引きとめてごめんなさい。また明日ね」
「お嬢様……なにか温かい飲み物をご用意しましょうか」
「ううん、平気。ありがとう、おやすみなさい」
心配そうな表情を浮かべるメアリを見送って、ひとりきりになった部屋で小さく息を吐いた。
……バカね、彼にとって私は心を寄せて贈り物を選ぶような存在じゃないでしょう。
贈ってくださっただけで十分なのに図々しい。
勝手な期待をしていた自分が恥ずかしい。
わかっていたはずの現実を改めて突きつけられ胸が鈍く軋む。
こんなにも心が重く塞いで動揺するのは、運命の伴侶だから?
答えが出ないまま重苦しい時間が過ぎていった。
「イスズの紹介だからな」
柔らかな物言いに胸の奥が波立ち、鋭いトゲが刺さった気がした。
イスズ、その名前を以前も聞いた記憶がある。
その方の話をする際の彼の口調は、とても穏やかで心を許しているように思えた。
「イスズに礼を伝えて、希望の菓子を用意しておくか」
苦笑まじりの彼の言葉を最後まで聞く前に、その場を離れた。
無言で自室に戻り、ソファに座りこんだ私に、メアリが気遣わしげな視線を向ける。
屋敷の間取りを頭に入れていたせいで迷いもせず、ほかの侍女たちにも見つからず戻れたのは幸いだった。
「お礼を伝え忘れちゃって……ダメね。今日はもう遅いから明日にでも手紙を書くつもり。メアリ、引きとめてごめんなさい。また明日ね」
「お嬢様……なにか温かい飲み物をご用意しましょうか」
「ううん、平気。ありがとう、おやすみなさい」
心配そうな表情を浮かべるメアリを見送って、ひとりきりになった部屋で小さく息を吐いた。
……バカね、彼にとって私は心を寄せて贈り物を選ぶような存在じゃないでしょう。
贈ってくださっただけで十分なのに図々しい。
勝手な期待をしていた自分が恥ずかしい。
わかっていたはずの現実を改めて突きつけられ胸が鈍く軋む。
こんなにも心が重く塞いで動揺するのは、運命の伴侶だから?
答えが出ないまま重苦しい時間が過ぎていった。