偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません

5.

 今、東條が何を考えているかは分からない。
 けれど、以前のように気持ちを預けることはもうないだろうと思えた。

「春花は食べるのも、上手だね。とてもいい子で食事をできることはすごいなあ」
 そう言いながら、東條は春花の口の周りにいっぱい付いている米をそっと取ってやっている。

 褒められて「えへへー」と照れた春花には、依織もきゅんとした。
 年の割にはしっかりしていると思っていたけれど、それはしっかりせざるを得ない環境に遭ったせいなんだと、少し胸が痛くなった。

「依織、俺が春花を見ているから、君はゆっくり食べて」
 いつの間にか、東條は食べ終わっていて、さっき依織が見ていたように春花のことを見ている。

 お言葉に甘えて、依織はパスタをゆっくりと食べさせてもらった。こんなにゆっくりと外食をしたのは、本当に久しぶりのことだった。
 
 帰り道、依織は助手席に座る。
 お腹がいっぱいになったあと、春花はまた散々はしゃいで東條にぬいぐるみを買ってもらい、気に入ったのか手放さなかった。

 車に乗る前には東條の腕の中でうとうとしかかっており、チャイルドシートに乗せた頃にはもう夢の中だった。
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