あと30日で、他人に戻るふたり

12日目 直せるかな

よく晴れた土曜日の朝。
アラームもかけていないのに、自然に目が覚めた。

リビングから物音がする。
時計を見ると、朝の七時半。


ゆっくり起き上がって、ぼーっとする頭を奮い立たせる。

……なんで、こんな朝早いの。
絶対に夜型っぽいじゃん。


そんなことを思いながら、寝室のドアを開けた。

「おはようございます」

「おはよ」

リビングのカーテンはちゃんと括られていて、換気のためなのか窓も少し開いている。


キッチンにいる大地さんが何をしているのか気になり、ひょいと覗いてみた。


相変わらず、髪の毛は爆発していた。
寝ぐせのまま。

たどたどしい手つきで、パンにハムを挟んでいる。
ハムがはみ出て、指で押し込んで、またはみ出る。

……不器用。


「えっ、パンをパンだけで食べないんですか…!」

思わず声に出たら、キッチンの奥で「失礼だな」と小さく返ってきた。


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