苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
SCENE10 甘すぎる本音
掲示板の騒動が収まってから、数週間後。
社内の雰囲気も変わり、落ち着いて仕事に打ち込める……はずが、私には別の気がかりなことが生まれていた。
このところ課長に対する評価が急上昇し、女性社員たちからの熱い眼差しが注がれるようになっていた。時々、その様子が気になり、落ち着かなくなってしまう。
課長から、「職場を何だと思ってる!」とでも言われそうで、口には出していないけど。
本当は会社でも課長を独り占めしたいし、誰にも彼の良さに気付いてほしくない。
でも、課長の良さは、みんなに理解してもらいたい。
なんて、勝手な考えが頭を巡り、毎日やきもきしてしまう。
当の課長本人は相変わらずで、以前と同じ、誰にでも常に冷静で無機質な態度だ。そういうところもまた、人気の一因らしくて……。やっぱり彼の周囲が気になってしまうことに変わりはない。
二人の恋人関係は、もちろん社内では秘密のままだから、私に対しても相変わらず機械的な対応をしている。時々視線を投げかけても、反応はしてくれない。
一方、社内には新しい風が吹き始めている。以前にはない企画が生まれ、チーム全体により活気が出てきた。そしてCチームの先輩たちは、いっそう楽しく仕事に取り組んでいる。