苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 社内の雰囲気も明るくなり、旧社長組の勢力がすっかり弱まったため、仕事のやり取りにも、どこか一体感が生まれたような気がする。

 ただ、ここ最近、職場で芦原と顔を合わせる度に、心の切り替えがうまくいかないことに苦心している。いつの間にか視界に入ると彼女を見つめている機会が増え、仕事に集中できていない。

 今後はいかに集中力を鍛えるか……だな。

 そう考えつつ廊下に出ると、芦原の後ろ姿を見つけてしまう。一瞬目で追いかけそうになり、慌てて視線を腕につけた時計へ向けた。そして何事もなかったように背筋を伸ばす。

 さっそく、誰かに試されてるのか?

 長いため息をつくと、遠回りして自分の席へ戻った。




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