【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
第五章 悪を滅する~氷室翔真side~
凛花に仕事を休むように説得した後、俺は三つ子を連れて保育園へやってきた。三つ子を送迎するのは初めてのため、突然現れた俺に保育園の先生は驚いていた。
とはいえ、左手の薬指に指輪をはめ、近々俺と籍を入れると話してくれていたお陰で怪しまれたりすることはなかった。
軽い挨拶を済ませると三つ子の担任の風香先生が「あのっ」と切り出した。
「凛花先生、体調が悪いと聞きました。大丈夫ですか……?」
「ええ、今日はゆっくり休ませます」
「そうですか……。お大事にとお伝えください」
風香先生が何かを言い淀んでいるのを察したが、ここには子どもたちもいる。
「ありがとうございます。あとで伝えておきます」
俺は気付かぬふりをして笑顔で頭を下げ、三つ子たちに手を振る。
「パパばいばい」
凛花が体調を崩しているせいか、三つ子たちもどことなく元気がない。三人は小さく手を振るとそのまま保育室の中へ入っていった。
「おかえりなさい。子どもたち大丈夫でしたか?」
家に帰ると、凛花が寝室から出てきた。顔色は今も悪く、辛そうだ。
「大丈夫。帰りも三つ子は俺が迎えに行くから凛花は家でゆっくりしてて。俺がいるとゆっくりできないだろうし、少し出掛けるね。お昼は用意してあるから」
「ありがとうございます」
元気のない凛花を家に残すのは気が引けたが、俺にはやるべきことがある。
「何かあったら連絡して。すぐ戻ってくるから」
「分かりました」
家を出ると、俺は車に乗り込み、知り合いのある人物へ電話をかけて協力を仰いだ。
それからあっという間に夕方になった。三つ子を迎えに保育園の裏口へ行くと、見覚えのある人物が目についた。
「氷室さん!」
茶色く長いポニーテールの髪を揺らしながらこちらへ駆け寄ってくる末藤さんに俺は頭を下げた。
「久しぶり。末藤さんに会うのは三年ぶり……かな?」
「そうですね。あのっ、実は凛花のことで氷室さんにちょっとお話があって……」
彼女は周りに人目がないことを気にしつつそう言った。
「凛花のこと? 何だろう」
俺は三つ子を迎える前に、末藤さんに案内されて保育園内にあるテーブルと椅子しか置いていない六畳ほどの応接室へ通された。
「どうぞ、座って下さい」
促されて椅子に座ると末藤さんはテーブルを挟んで正面に座った。彼女の方からは甘ったるい香水のような匂いがする。顔を顰めたくなるのを必死になって堪える。
「それで、話っていうのは?」
俺の言葉に末藤さんは眉を寄せて困ったような表情で口を開いた。
「実は、凛花……保育園の保護者と不倫してるんです」
「……うん? 今、なんて?」
「だから、不倫してるんですっ。ふたりはまだ籍を入れる前なんですよねっ? お節介かなって思ったんですけど……。氷室さんが凛花に騙されてるのを見ていられなくて」
「……そうなんだ」
彼女から漂ってくる甘い匂いに頭がガンガンと痛み、おでこに手を当ててハァと息を吐き出す。
とはいえ、左手の薬指に指輪をはめ、近々俺と籍を入れると話してくれていたお陰で怪しまれたりすることはなかった。
軽い挨拶を済ませると三つ子の担任の風香先生が「あのっ」と切り出した。
「凛花先生、体調が悪いと聞きました。大丈夫ですか……?」
「ええ、今日はゆっくり休ませます」
「そうですか……。お大事にとお伝えください」
風香先生が何かを言い淀んでいるのを察したが、ここには子どもたちもいる。
「ありがとうございます。あとで伝えておきます」
俺は気付かぬふりをして笑顔で頭を下げ、三つ子たちに手を振る。
「パパばいばい」
凛花が体調を崩しているせいか、三つ子たちもどことなく元気がない。三人は小さく手を振るとそのまま保育室の中へ入っていった。
「おかえりなさい。子どもたち大丈夫でしたか?」
家に帰ると、凛花が寝室から出てきた。顔色は今も悪く、辛そうだ。
「大丈夫。帰りも三つ子は俺が迎えに行くから凛花は家でゆっくりしてて。俺がいるとゆっくりできないだろうし、少し出掛けるね。お昼は用意してあるから」
「ありがとうございます」
元気のない凛花を家に残すのは気が引けたが、俺にはやるべきことがある。
「何かあったら連絡して。すぐ戻ってくるから」
「分かりました」
家を出ると、俺は車に乗り込み、知り合いのある人物へ電話をかけて協力を仰いだ。
それからあっという間に夕方になった。三つ子を迎えに保育園の裏口へ行くと、見覚えのある人物が目についた。
「氷室さん!」
茶色く長いポニーテールの髪を揺らしながらこちらへ駆け寄ってくる末藤さんに俺は頭を下げた。
「久しぶり。末藤さんに会うのは三年ぶり……かな?」
「そうですね。あのっ、実は凛花のことで氷室さんにちょっとお話があって……」
彼女は周りに人目がないことを気にしつつそう言った。
「凛花のこと? 何だろう」
俺は三つ子を迎える前に、末藤さんに案内されて保育園内にあるテーブルと椅子しか置いていない六畳ほどの応接室へ通された。
「どうぞ、座って下さい」
促されて椅子に座ると末藤さんはテーブルを挟んで正面に座った。彼女の方からは甘ったるい香水のような匂いがする。顔を顰めたくなるのを必死になって堪える。
「それで、話っていうのは?」
俺の言葉に末藤さんは眉を寄せて困ったような表情で口を開いた。
「実は、凛花……保育園の保護者と不倫してるんです」
「……うん? 今、なんて?」
「だから、不倫してるんですっ。ふたりはまだ籍を入れる前なんですよねっ? お節介かなって思ったんですけど……。氷室さんが凛花に騙されてるのを見ていられなくて」
「……そうなんだ」
彼女から漂ってくる甘い匂いに頭がガンガンと痛み、おでこに手を当ててハァと息を吐き出す。